122.また今度 ページ29
着物の人は「まだやるんか？」とタバコの煙を吐きながら男の人をじっと見つめる。彼は周りを見渡し降参だ、とでも言うように両手を上げた。
「…ここまでやられてしまっては何も出来ませんから」
今回は引かせて頂きますと言って踵を返して帰っていく。ひとらんがそれを追いかけようとしたけどそれを制した。
深追いはしてはいけない気がしたのだ。
「…せや、腕大丈夫か？なんか刺されとったけど」
『あ、うん。注入された訳じゃないから大丈夫』
テープを貼られた腕を見せて大丈夫だとアピールするがロボロとひとらんは浮かない顔のままだ。
少しの間彼らは顔を見合わせ、そして小さく頷いた。
「A」
『うん？』
「アイツらに顔が割れた以上、普通に暮らすのは正直アカンと思うねん」
ロボロは私を降ろし、少し俯いたあと真っ直ぐ私を見た。
「…家から出よう」
『…うん』
そうならないように最前を尽くそうと思っていた。
だけどもう、無理だろうから。
携帯を取り出してグルッペンに連絡を取る。
『…もしもし？』
事の顛末を話せば少し間が空いた後「わかった」とだけ返して彼は携帯を切った。ひとらんとロボロに頷き、着物の人に頭を下げる。
『ありがとうございました。お陰で助かりました』
「ええねん。上の命令やから」
『…上って』
「ん。さっきの神社の奴。俺はそいつのお友達ー」
タバコの煙を吐きながら彼はニッと笑う。
グルッペン達と言い、彼らと言い、人外とよく出会うなぁ私。
「ま、お賽銭のお礼って事で。俺はそろそろ戻るわ」
着物の人は黄色い鳥に姿を変えて手のひらに飛んでくる。ありがとう、と微笑めば「またな」と彼は信者の方へと飛び去って行った。
『また今度お礼しに行こうね』
「せやな」
「…早く帰ろう」
『うん』
少し顔色の悪いひとらんに急かされながら私たちは家への道を走って帰った。
※※
「いらっしゃ〜い」
『…お世話になります』
連絡先のメモに書いてあった番号に連絡し、すんなり受け入れてくれたくられ先生の家にたどり着く。彼は気にせずゆっくりしてねと言ってくださった。
「大変だったね。お風呂沸いてるから、入るといいよ」
『ありがとうございます』
優しい気遣いを有難く受け取り、私は風呂場へと向かった。
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黒瀬(プロフ) - 小雨さん» ありがとうございます！この後の展開をどうするかで悩んでかなり遅くなってます。申し訳ありません！ (2020年7月26日 16時) (
レス) id: 3009402549 (このIDを非表示/違反報告)
小雨 - まさかniさんが人外やったとは…これからの展開凄く楽しみです！体調を崩さない程度に更新頑張ってください！ (2020年7月26日 10時) (レス) id: 459de324fd (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 調味料さん» 久しぶりのコメントありがとうございます！出したいなぁ、と思ってたので無事出せて良かったです^^ (2020年6月27日 9時) (レス) id: 46340c89d0 (このIDを非表示/違反報告)
調味料 - 久しぶりにコメント失礼しまぁす。^r.a^な人外さんが出ててめっちゃ嬉しかったです、ありがとうございます(土下座)これからも更新頑張ってください〜 (2020年6月25日 21時) (レス) id: 06d5180623 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - わたあめ@りんご桜さん» ありがとうございます！全員出演予定なのですが、人数が多いので中々難しいんですよね(--;)何とか上手いこと出して行けたら、と思います！ (2020年6月14日 10時) (レス) id: 46340c89d0 (このIDを非表示/違反報告)
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