120.魔の手 ページ27
息をきらせ、ロボロに手を引かれながらひたすら走る。後ろから追いかけてくる足音がする。
やっぱり、追いかけてきている。
「っクソ…応戦するしか無いんか…」
『それは、っダメ、まだ昼間…っ』
何より人影は4つあったはず。後ろを見れば2人しかおらず、何処かに隠れて様子を伺ってる可能性もある。そんな状況で彼らが戦う事をさせたくなかった。
何とかしなきゃ。
息を切らせながら、それでも立ち止まらず思考を巡らせる。
手を引いてたロボロが「ここを降りて一気に撒くで」と手を離して石段を一気に飛び降りて走り出す。犬のひとらんも飛び降り、同様に駆け出す。
私も2、3段飛ばしで降りて走り出___そうとするが、普段から運動をしてない私の足は疲労が来たらしい。
走り出す前に上手く脚が上がらなくてその場で盛大に転倒してしまった。
『痛…っ』
「A！」
『大丈夫、すぐ走「そこまでです」っきゃ…』
起き上がろうと腕に力を込めれば背後から聞こえてきた男の人の声。
それに振り向けば目元の笑ってない、笑顔を顔に貼り付けた男の人が立っていて反射的にマズいと思って逃げ出そうとした私を後ろから、もう1人の男の人が羽交い締めにした。
『離してっ！』
「A！」
「おっと、それ以上こちらに近付いたらこのお嬢さんがどうなるかわかりませんよ？」
ポケットから注射器を取り出す男はロボロとひとらんに見せつけるようにして彼らを牽制する。ひとらんがそれにギリギリと歯ぎしりを立てた。
「…お前その子を離せや」
「残念ながら私は犬猫の命令を聞く人間ではありませんのでね」
男はゆっくりAの元に歩いて腕をつかみ、そこから注射器を刺して血を抜いた。鋭い痛みに目を瞑って逸らせば、やがて抜かれて傷口をガーゼで拭われる。
「安心して下さい。私は貴女を殺そうとは思ったりしてませんから」
抜いた血をケースに入れて仕舞いながらそこに止血用のテープを貼られる。男はロボロとひとらんを見、そしてAを見てにっこりと笑った。
「成程、一般人を騙して隠れ蓑にしてた訳ですね」
「んな訳「ロボロ落ち着いて」…わかっとる」
ひとらんが冷静になるようにロボロを宥める。
彼は2人を知っているようだけど…私が伯父の関係者だと知らないようだ。
「しかしまぁ…この子も可哀想に。化け物の隠れ蓑にされていただなんて」
『…っ』
家族を化け物呼ばわりされた事に、手を握りしめて必死に我慢した。
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黒瀬(プロフ) - 小雨さん» ありがとうございます！この後の展開をどうするかで悩んでかなり遅くなってます。申し訳ありません！ (2020年7月26日 16時) (
レス) id: 3009402549 (このIDを非表示/違反報告)
小雨 - まさかniさんが人外やったとは…これからの展開凄く楽しみです！体調を崩さない程度に更新頑張ってください！ (2020年7月26日 10時) (レス) id: 459de324fd (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 調味料さん» 久しぶりのコメントありがとうございます！出したいなぁ、と思ってたので無事出せて良かったです^^ (2020年6月27日 9時) (レス) id: 46340c89d0 (このIDを非表示/違反報告)
調味料 - 久しぶりにコメント失礼しまぁす。^r.a^な人外さんが出ててめっちゃ嬉しかったです、ありがとうございます(土下座)これからも更新頑張ってください〜 (2020年6月25日 21時) (レス) id: 06d5180623 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - わたあめ@りんご桜さん» ありがとうございます！全員出演予定なのですが、人数が多いので中々難しいんですよね(--;)何とか上手いこと出して行けたら、と思います！ (2020年6月14日 10時) (レス) id: 46340c89d0 (このIDを非表示/違反報告)
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