111.食害からの逃亡 ページ17
ゾムと大先生が帰還後、早速トントンが食害に巻き込まれた。
「トントンまだ食えるやろ？晩飯ん時量少なかったやん」
「あれはコネシマとシャオロンがつまみ食いして足りへんくなったから自分の分を減らしただけや！おにぎりを山のように詰むな！」
『ははは…』
2人が帰ってくるだけでカオスな空間になったそこに乾いた笑いしか出てこない。
「…なぁなぁAちゃん」
貰った肉まんを頬張っているといると腕をつんつんとつつかれる。振り向けば、そこには以前と同じように缶コーヒーを手にした大先生がいた。
「2人で抜け出さへん？」
そっと耳元に口を寄せてそう囁く。
ちらりとトントンとゾムに目をやるが、明らかに次に食害が来るのは私達だろう。
『うん、逃げよっか』
「そう来なくっちゃな」
こっそりこそこそ。
2人にバレないように気配を消しながら、暗い道を私たちは手を繋いで歩き出した。
※※
「上手くいってよかったわ」
『バレたらどうなるかと思った』
イタズラが成功した時のような気持ちの良い笑顔を浮かべて私たちは笑い合う。川の近くにあるベンチに並んで腰掛けて缶コーヒーに口をつける。
スッキリした味が口の中に拡がった。
「可愛い子を独占した上に食害から回避とか最高やな」
『大袈裟だよ』
「いや？大袈裟やないで？」
空いてる手が私の頬を包み彼の方へと向けさせる。綺麗な青い瞳が私を映した。
「Aちゃんは可愛ええよ」
優しく微笑む大先生。
それに対して『ありがとう』と顔を赤くしながら返せば彼は嬉しそうに笑った。
「ん。やっぱ素直な子が1番可愛ええな」
『成程。つまり今まで素直じゃなかった私は可愛くなかったって訳ね』
「んな事あらへんよ？言葉のあやってやつや」
『本当に〜？』
大先生で弄って遊んでいるとそよ風が頬を撫でた。それが吹き抜ける夜空へ視線を移せば、ふと式についての疑問が浮かび上がる。
『…ねえ大先生。式ってなにか用意したりするの？』
「ん？いや、Aちゃんが用意するものはあらへんよ？」
ぜーんぶこっちで揃えとるよ。
そう言う大先生は楽しみにしててな、と詳細について触れさせないよう先手を打ってきた。
当日の楽しみってことかな？
『なら、その式の手順は？』
「…知りたい？」
小さく頷けば彼はベンチにコーヒーの缶を置き、私の首の後ろの辺りにするりと指を滑らせた。
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黒瀬(プロフ) - 小雨さん» ありがとうございます！この後の展開をどうするかで悩んでかなり遅くなってます。申し訳ありません！ (2020年7月26日 16時) (
レス) id: 3009402549 (このIDを非表示/違反報告)
小雨 - まさかniさんが人外やったとは…これからの展開凄く楽しみです！体調を崩さない程度に更新頑張ってください！ (2020年7月26日 10時) (レス) id: 459de324fd (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 調味料さん» 久しぶりのコメントありがとうございます！出したいなぁ、と思ってたので無事出せて良かったです^^ (2020年6月27日 9時) (レス) id: 46340c89d0 (このIDを非表示/違反報告)
調味料 - 久しぶりにコメント失礼しまぁす。^r.a^な人外さんが出ててめっちゃ嬉しかったです、ありがとうございます(土下座)これからも更新頑張ってください〜 (2020年6月25日 21時) (レス) id: 06d5180623 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - わたあめ@りんご桜さん» ありがとうございます！全員出演予定なのですが、人数が多いので中々難しいんですよね(--;)何とか上手いこと出して行けたら、と思います！ (2020年6月14日 10時) (レス) id: 46340c89d0 (このIDを非表示/違反報告)
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