23.くろいまふらー ページ23
ぐるっぺんは夕方からいってしまう。おすまんとちがってわたしがねてる間にはいかないと思うけども。
『ぷにゃう』
gr「なんだ？遊んで欲しいのか」
猫じゃらしを咥えておひざにたっちすれば、ぐるっぺんはうれしそうに笑ってそれを手にとった。
gr「トン氏、悪いがムービー撮って送ってくれないか」
tn「…ええよ」
あっちでもA成分補給したいもんな、ととんとんが笑ってわたしとぐるっぺんがあそぶ様子をろくがする。
『んなぁお！にゃー！』
gr「ほら、コッチだぞ」
tn「んははっ」
遊ぶ時だけじゃない、ご飯をたべる時も、おひるねしてる時も、あまえておひざに乗ってなでられてる時も、ぐるっぺんはうれしそうにほほ笑んではろくがをしていた。
『にゃう？』
すんすんと、なんで？と言わんばかりにけいたいのにおいをかぐ。
gr「あぁ、コレは…大好きなAをいつでも見れるように、な」
『…なぁう』
おおきな手があたまをなでる。
それならいかなければいいのに。
そういえたら、どんなにいいことか。
『……』
時が過ぎるのはあっという間で、気がつけばまどの外はおれんじいろにつつまれていた。
※
gr「じゃあ、そろそろ俺は行くぞ」
tn「無茶だけはすんなよ？」
gr「当たり前だ。……A、元気でな」
がらがらと、おっきなけーすを引いてぐるっぺんが歩きだそうとする。
『…ッ』
tn「あっ A」
とんとんのうでから抜け出し、ぐるっぺんのコートのすそをかんだ。
『んぐぅ』
gr「A…」
『にゃーう゛！』
やっぱりやだ
さみしい
いかないで
gr「…寂しいと思ってくれるのか」
『んなぁう…』
ぐるっぺんは赤いひとみをにじませながら、うれしそうにわたしを抱きしめた。
おねがい、いかないで
『にぃ゛…っ』
ぽろぽろあふれ出るなみだをそのままに、ごつんごつんとあたまをむねにおしつける。
gr「…ありがとう。俺も、Aの事、大好きだぞ…っ」
すごく苦しそうなかおをして、それでもぐるっぺんはわたしをとんとんに返してまふらーをわたしにまきつけた。
gr「餞別だ。…ありがとうな、A」
なみだを指でぬぐわれ、やさしいキスを額におとされる。
gr「トントン、Aの事、頼むぞ」
tn「…言われんでもそうするわ」
またな、とぐるっぺんは手を振りどんどん遠ざかっていく。
『…にゃう゛…っ』
ぐるっぺんのすがたが見えなくなっても、わたしは遠くをじっと見つめていた。
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鴉(プロフ) - 完結おめでとうございます。癒しと感動が詰まった素敵な作品に出会えて良かったです。 (2022年10月23日 8時) (
レス) @page28 id: 3595b6bfd1 (このIDを非表示/違反報告)
虹色のしっぽが付いた雪だるまのジャス民は我々だ！(プロフ) - お”ぉ”ぉ”ぉ”めちゃ感動するやないですかぁぁぁぁ！更新頑張って下さい！ (2022年10月17日 20時) (レス) @page23 id: 779b4574fe (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - まさかの、まさかのツイートで癒されまくっていたあの猫ちゃんが小説に、、！？！？いつも素敵な作品ありがとうございます！無理のないよう更新頑張ってください！ (2022年10月2日 0時) (レス) @page4 id: 04c7a7add8 (このIDを非表示/違反報告)
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