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tn side
「…何やねん、コレ…」
インカム越しに聞こえた爆音に嫌な予感がして急いで帰ってみたら荷物置き場となっていた小屋は燃え真っ黒に崩れ落ちていた。
「トントン」
「オスマン。…これ、何があってん」
「戦争が終わる少し前にな、敵兵がウチの兵士に化けて侵入しとったんよ」
オスマンは経緯を簡単に話してくれた。
敵兵がグルさんを狙っていた事。
やけどAが気付いたのか爆弾を盗み、それを誰の被害も出ないように倉庫に逃げ込み爆発させた事。
「近くに倒れとった敵兵を拘束したら簡単に吐いたわ」
「…なぁオスマン…Aは…Aはどしたん」
戦争が終わった今敵兵一人のことなんてどうでもええ。
「…会いたい？」
「…」
いつも細められてる翡翠の目がスっと姿を現す。
覚悟はあるんか？とでも言うかの様に。
「…頼む」
「…こっちや」
オスマンに連れられ、俺は自分の部屋へと向かった。
※※
『…、…、』
「A…っ」
部屋の隅のテーブルの上。そこでは特性のベッドに横たわり酸素マスクを着けられ包帯だらけのAが目を閉じて横たわっていた。
「やぁトントン君。ご無沙汰してるよ」
「くられ先生」
顔馴染みのくられ先生が「久しぶり〜」と手を小さく振る。くられ先生は動物の医者もやっていて、ペ神は治療専門外なのでわざわざ呼んだのだとか。
「先生、Aは…どうなんですか…」
「…残念だけど長くは持たないよ」
「そんな…」
「煙を吸い込んだ事で喉がやられて背中は酷い火傷だ。爆発の衝撃で目は見えないし、手の施しようがない」
くられ先生は悲しそうに目を伏せ眠っているAの頭を撫でる。
なんでAがこんな目に。
無意識のうちに手を強く握り締めていたようで、爪のくい込んだ部分から血がツゥ、と零れ落ちた。
「…この子は勇敢だよ。グルッペンさんが狙われてると理解すると爆弾を奪い取って倉庫に逃げ込んだんだからね」
くられ先生が大したものだよ、というと口を閉ざしていたオスマンが頷いた。
「この子がおらんかったらグルッペンだけやなく俺も巻き込まれてたかもしれんからな…ホンマ、賢い子やで」
小さな体をマスクを外して抱き上げる。
「…少しだけ待って貰えますか」
くられ先生は俺の言いたいことを察してくれたらしく、そのままAを抱き上げて中庭へと歩き出した。
『…ﾆｬ…ｯ』
「…ありがとうな、A」
最期の時くらいは一緒に居させてな。
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ジーナ(プロフ) - 久しぶりに小説で泣かせられました、、、読んでいると、うちの6代目のネコちゃんを思い出します。 (2021年6月2日 13時) (
レス) id: 5d4a55a6f3 (このIDを非表示/違反報告)
ルクテ(プロフ) - 癒されると思ってたから、突然の展開に感動して大泣きしました(T-T) 黒瀬さんの作品大好きです！続編希望です!! あと、よければ合作とk((ﾅﾝﾃﾞﾓｱﾘﾏｾﾝ (2021年6月2日 0時) (レス) id: 05a910269c (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - あぁぁ、、、悲しい、、大泣きしそうになっちゃいました、、。いやでも、勇敢な夢主さんですよ、、大切な人を守るために命をかける。きっと、来世は幸せ者でしょうね、、、！！ (2021年6月1日 23時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
ウルフグリーン(プロフ) - 泣きたかったけど、勉強中にこっそり見てたので、泣ける暇がありませんでした。感動しました。続編希望です！ (2021年6月1日 19時) (レス) id: cfbc218aad (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - うっ…お恥ずかしながら大泣きしました…！もういい話過ぎてっ…！すごい大好きです！！！続編…めっっっちゃ読みたいです！お願いします！ (2021年6月1日 18時) (レス) id: 71bc8f54f4 (このIDを非表示/違反報告)
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