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トントンさんがいない今、私がグルさんを守らなきゃ。
「待て！クソ猫ォ！」
『(ヒィイイッ)』
男の人は必死になって私をずっと追いかけてくる。そこまでしてグルさんを狙わなきゃいけない理由でもあるんだろうか。
だけど私はただの猫だ。理解出来ないし許容する事は出来ない。
でもこのままじゃ爆弾が爆発してしまうだろう。画面には五分の表記が映っていて、もう時間は無かった。
『(…覚悟しなきゃ、かぁ)』
猫と人間。体格の差。
そして確かこの近くには荷物置き場になってる小屋があったはず。あそこは荷物が山積みで人が入り込める隙間は殆ど無く、私なら潜り込めた記憶がある。
"ここから工具探せとかロボロも無茶言うなぁ…どこやろ"
"ﾆｬｰ(これかな？)"
"あ、それや！お手柄やなA"
"ﾆｬｳｰ(えへへ)"
頑張ったな、と頭を撫でてもらったのが昨日の事のようだ。
ずっと、前の世界では褒められた事が無かったから
前の世界では愛されなかったから
私は…そばに居たいと願った。願ってしまった。
あぁ、叶う事ならずっと居たかったなぁ
『…ｯ』
小屋のドアノブに飛び乗って器用に回し、扉を開けては荷物で山積みの中へと潜り込む。追いかけてきた兵士は山積みの荷物をどかそうと必死になって物を掴んでは後ろに投げていた。
「返せ！それが無きゃ、俺は…家族が…！」
どうやら兵士さんにも大切な人が居るようだ。
だけど、ごめんなさい。
私も守らなきゃいけない、大切な人がいるの。
『…ﾆｬｰ』
あぁ、最後くらいは会いたかったなぁ…
ディスプレイに映る残り時間は三十秒を切っていた。
出来る限り部屋の隅にそれを転がし、反対側の隅に丸まって衝撃に備えて目を閉じた。
"A、ただいま！"
『…ﾆｬｯ』
脳裏に浮かぶ愛しい人の姿を思い浮かべ笑った次の瞬間
耳を塞ぎたくなる爆音が辺りを包み込んだ。
※※
戦争が早めの集結を迎え前線に出ていたトントンと後の事を話していると、突然少し離れた先にある荷物置き場と化した小屋から爆音がした。
"グルさん？今の音なんや"
「分からん…とりあえず後は大先生とコネシマに任せて一度戻ってきてくれ」
"…わかったわ"
インカムを切り他の兵士を数人確認に向かわせる。
「…なぁグルッペン」
「どうしたオスマン」
「Aちゃんが居らんねんけど」
「…」
いや、そんな…まさか、な…
.
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ジーナ(プロフ) - 久しぶりに小説で泣かせられました、、、読んでいると、うちの6代目のネコちゃんを思い出します。 (2021年6月2日 13時) (
レス) id: 5d4a55a6f3 (このIDを非表示/違反報告)
ルクテ(プロフ) - 癒されると思ってたから、突然の展開に感動して大泣きしました(T-T) 黒瀬さんの作品大好きです！続編希望です!! あと、よければ合作とk((ﾅﾝﾃﾞﾓｱﾘﾏｾﾝ (2021年6月2日 0時) (レス) id: 05a910269c (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - あぁぁ、、、悲しい、、大泣きしそうになっちゃいました、、。いやでも、勇敢な夢主さんですよ、、大切な人を守るために命をかける。きっと、来世は幸せ者でしょうね、、、！！ (2021年6月1日 23時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
ウルフグリーン(プロフ) - 泣きたかったけど、勉強中にこっそり見てたので、泣ける暇がありませんでした。感動しました。続編希望です！ (2021年6月1日 19時) (レス) id: cfbc218aad (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - うっ…お恥ずかしながら大泣きしました…！もういい話過ぎてっ…！すごい大好きです！！！続編…めっっっちゃ読みたいです！お願いします！ (2021年6月1日 18時) (レス) id: 71bc8f54f4 (このIDを非表示/違反報告)
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