06. ページ6
『ﾐｬｰｩ(開けてくださいー)』
書記長室の扉をカリカリと掻いてそう鳴けばしばらくして扉が開いた。そこには大好きなトントンさんが居て「おかえり」と優しい笑顔を浮かべて抱き上げてくれた。
「お仕事果たしてきたん？」
『ﾐｬｱ(シャオロンさんに)』
「そっかーお利口さんやなぁ」
言葉は通じてない筈なのにトントンさんは嬉しそうに笑った。
ふと机の上の書類の山が目に入り、腕から抜けて机の上に飛び乗った。
…これ、明日までの書類だ。
「イタズラしたらアカンで？」
『…ﾐｬ(そんな事しませんよ)』
「まぁお利口さんのAはそんな事せぇへんもんな」
書類を覗けばどうやら仲間のコネシマさん、大先生さん、ゾムさんがサボった仕事の書類らしく。私は内心でため息をついて机から飛び降りた。
「え？あ」
『…ﾐｬｰ』
開けて、と扉をカリカリと掻く。トントンさんは少し困惑してるようだったけど、外に出たいとわかると扉を開けてくれた。
『ﾐｬｱ(いってきます)』
「い、いってらっしゃい…？」
トントンさん、待っててね。
しゅくせー、してきますから。
※※
「いっでぇ？！！」
『ﾌｼｬｰ!(仕事して下さい！)』
「ちょ、Aちゃんタンマ！お尻噛むのやめてぇええ！！」
大先生さんはお尻を血が出るまで噛んで
「なんやコイツ！やめろや！」
『ﾆｬ(嫌ですお仕事してください)』
コネシマさんの愛用のジッポを盗んで手の届かない高いところに逃げて
「なぁAー頼むからソレ返してやぁ…」
『ﾌﾟｲｯ(お仕事するまで返しません)』
ゾムさん愛用のナイフの上にぐでっとのしかかって仕事の催促をした。皆さん軍人ですし力づくでどうにかされるかも、と思ったけど私の意図に気付いたらしい皆さんは皆「仕方がないな」と早々に諦め書類へと向き合うのだった。
「なぁA」
『ﾐｬ?(はい？)』
「お前のお陰やろ？ありがとうな」
『…ﾐｬｰﾝ(どういたしまして)』
彼らが書き上げた書類を手にトントンさんは頭を撫でてくれた。
あぁ、嬉しい。
こんな時間がずっと、続けばいいのに。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 497人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ジーナ(プロフ) - 久しぶりに小説で泣かせられました、、、読んでいると、うちの6代目のネコちゃんを思い出します。 (2021年6月2日 13時) (
レス) id: 5d4a55a6f3 (このIDを非表示/違反報告)
ルクテ(プロフ) - 癒されると思ってたから、突然の展開に感動して大泣きしました(T-T) 黒瀬さんの作品大好きです！続編希望です!! あと、よければ合作とk((ﾅﾝﾃﾞﾓｱﾘﾏｾﾝ (2021年6月2日 0時) (レス) id: 05a910269c (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - あぁぁ、、、悲しい、、大泣きしそうになっちゃいました、、。いやでも、勇敢な夢主さんですよ、、大切な人を守るために命をかける。きっと、来世は幸せ者でしょうね、、、！！ (2021年6月1日 23時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
ウルフグリーン(プロフ) - 泣きたかったけど、勉強中にこっそり見てたので、泣ける暇がありませんでした。感動しました。続編希望です！ (2021年6月1日 19時) (レス) id: cfbc218aad (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - うっ…お恥ずかしながら大泣きしました…！もういい話過ぎてっ…！すごい大好きです！！！続編…めっっっちゃ読みたいです！お願いします！ (2021年6月1日 18時) (レス) id: 71bc8f54f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
