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tn side
最初は可愛ええ子猫やな、と思った。
やけどゾムが触れようとした途端火がついたかのように泣き叫び、箱から出ようと必死にもがき出した。
足怪我しとったから念の為割り箸当てて包帯巻いて固定しとるんやけど、それをものともせず走ろうとしとる。
それ程にこの子は怖い経験をしたんやと思った。ちっこい体でイフリートは巨大やろうからな、そりゃ怖いやろ。
仕方がないと抱き上げてやれば落ち着いたのか喉をゴロゴロ鳴らし出す子猫。あー可愛ええ…うちの子にならへんかな…
「…トントン、そいつ大丈夫なのか」
「ん？あー怪我もそこまで酷くないやろうし、大丈夫やと思うで」
書類を捌いていたグルさんはそう聞くと「そいつをどうするんだ？」とペンを置いて尋ねてきた。どうするって言うても、怪我治ったら返すしか無いやろ…
「怪我治ったら元いた場所に返すつもりやで」
「…そいつの近くに親猫は？」
「居らんかったらしいで」
「ならまた何かに襲われるだろうな」
グルさんが言うには子猫の近くに親猫が居ないのはおかしい、との事。親に捨てられたか、はたまた親猫が何かに襲われて…という事が考えられた。
「…」
「…時に相談なんだが」
「なんやねん」
「そいつを軍で飼わないか？」
「…は？」
何言うとるんやこの五歳児は。
「いやな？お前さえも骨抜きにする子だ、他の奴らの癒しになるんじゃないかと思ってな」
所謂アニマルセラピーだ！と真面目な顔で言い放つ総統に拳を叩き込みたくなったが子猫を抱き上げとるから我慢する。
『ﾋﾟｬ？』
「うぐ…っ」
舌をしまい忘れてキョトンと見上げる子猫に否定の意見が喉で詰まる。
確かに癒し、アリかもしれへん。
「…やけど世話はどうすんねん」
「トントンが適任やろ」
「は？ゾムお前」
「俺は無理やからな？またイフリートが襲ったら大変やし」
「〜ッ」
その通り過ぎて何も言えなくなる。かと言ってグルさんに預けたら仕事サボる口実に使うやろうし…
「…わかったわ。俺が面倒見たる」
「流石トントン！」
「では、頼んだぞ」
上手いこと嵌められた気がするが手元のちっちゃな毛玉を頭を撫でてやる。
「…俺が今日からご主人様やで」
そう言えば『ﾋﾟｬｰ』と嬉しそうになくこの子に、可愛すぎて俺は膝から崩れ落ちるのだった。
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ジーナ(プロフ) - 久しぶりに小説で泣かせられました、、、読んでいると、うちの6代目のネコちゃんを思い出します。 (2021年6月2日 13時) (
レス) id: 5d4a55a6f3 (このIDを非表示/違反報告)
ルクテ(プロフ) - 癒されると思ってたから、突然の展開に感動して大泣きしました(T-T) 黒瀬さんの作品大好きです！続編希望です!! あと、よければ合作とk((ﾅﾝﾃﾞﾓｱﾘﾏｾﾝ (2021年6月2日 0時) (レス) id: 05a910269c (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - あぁぁ、、、悲しい、、大泣きしそうになっちゃいました、、。いやでも、勇敢な夢主さんですよ、、大切な人を守るために命をかける。きっと、来世は幸せ者でしょうね、、、！！ (2021年6月1日 23時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
ウルフグリーン(プロフ) - 泣きたかったけど、勉強中にこっそり見てたので、泣ける暇がありませんでした。感動しました。続編希望です！ (2021年6月1日 19時) (レス) id: cfbc218aad (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - うっ…お恥ずかしながら大泣きしました…！もういい話過ぎてっ…！すごい大好きです！！！続編…めっっっちゃ読みたいです！お願いします！ (2021年6月1日 18時) (レス) id: 71bc8f54f4 (このIDを非表示/違反報告)
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