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「ほれ、あーん」
『あー』
トントンさんにねこまんまをスプーンで掬われあーんされる。ひとらんさんが作ってくれたそれにおいしー！と頬に手を当てモグモグしていると傍らで見守っていたマンちゃんとショッピが胸を抑え崩れ落ちた。
「めっっっちゃ可愛ええ…っ」
「幼女に猫耳と尻尾とか最高じゃないっすか…」
「Aええか？アイツらにその姿の時は近付いたらアカンで」
『みゃう(ですね)』
撫でたい愛でたいと言ってはトントンさんの鉄壁ガードにブロックされる二人を見てシャツを掴む。
『…みー(眠い)』
「ん？どした」
目をぐしぐし擦れば眠くなったのを察してくれたトントンさんが抱き上げ背中を叩いてくれた。
『…ふみゃ』
「子供やもんな。寝てええで」
とくとく聞こえる鼓動に目を閉じれば、トントンさんは二人に断りを入れて部屋へと向かった。
「トントンホンマAちゃん大好きやなぁ」
「ですね。…羨ましい」
「本音出とるで」
※※
「お布団到着、っと」
『んみ…』
意識が殆ど落ちている中ベッドに降ろされ柔らかい毛布の感触を感じた。
目をうっすら開けるとトントンさんが毛布をかけてくれていて、喉をぐるぐる鳴らすと優しく微笑んで頭を撫でてくれた。
「寝ててええで？」
『…んみゃ、あぅ』
撫でる手をキュッとつかんで頬を寄せる。
大好きな手
温かい手
離れたくない
『…みゃー』
「…ホンマ甘えたさんやな」
『みゃうー』
前の世界では感じる事の出来なかったやさしい手。これが夢なのではないかと何度も思った。
だけど違う。
確かに私を愛してくれる人はここに居るんだ。
『…にゃ…』
ぽろりと零れ落ちる涙を大きな手が拭いとる。
「…大丈夫やで。俺が傍におったるから」
『…みー』
前髪をそっと横に分けられ額に口付けられる。
「おまじないや。…手ぇ握ったるから、安心しぃや」
『……にゃあ』
やっと人の姿になれたのにあなたに大好きです、と伝える事も叶わない。
でもそれでいい。
これ以上望んだらバチが当たっちゃうもん。
おやすみなさい、と頬を撫でる手を甘噛みし、私は今度こそ夢へと落ちていった。
※※
「…なんで泣いとったんやろ」
ポツリ、眠った愛猫を前に零す。
理由は分からない。それでも笑っていて欲しくて。
「…俺が側にいて泣かなくなるならずっと傍におる」
やから、笑っていてくれ。
歳相応のあどけない寝顔に小さく笑いながら、俺もベッドの端に上体を預け目を閉じた。
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ジーナ(プロフ) - 久しぶりに小説で泣かせられました、、、読んでいると、うちの6代目のネコちゃんを思い出します。 (2021年6月2日 13時) (
レス) id: 5d4a55a6f3 (このIDを非表示/違反報告)
ルクテ(プロフ) - 癒されると思ってたから、突然の展開に感動して大泣きしました(T-T) 黒瀬さんの作品大好きです！続編希望です!! あと、よければ合作とk((ﾅﾝﾃﾞﾓｱﾘﾏｾﾝ (2021年6月2日 0時) (レス) id: 05a910269c (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - あぁぁ、、、悲しい、、大泣きしそうになっちゃいました、、。いやでも、勇敢な夢主さんですよ、、大切な人を守るために命をかける。きっと、来世は幸せ者でしょうね、、、！！ (2021年6月1日 23時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
ウルフグリーン(プロフ) - 泣きたかったけど、勉強中にこっそり見てたので、泣ける暇がありませんでした。感動しました。続編希望です！ (2021年6月1日 19時) (レス) id: cfbc218aad (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - うっ…お恥ずかしながら大泣きしました…！もういい話過ぎてっ…！すごい大好きです！！！続編…めっっっちゃ読みたいです！お願いします！ (2021年6月1日 18時) (レス) id: 71bc8f54f4 (このIDを非表示/違反報告)
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