おまけ6. ページ21
※不思議なお話
「ふふふ…遂に完成したよ鬱君！さぁ早速飲みたまえ！」
「ええっ？！ちょ、先生やめてくださいよ！」
『ﾆｬｱ?(なんの騒ぎ？)』
「あぁっ…手が！」
『ﾐ?』
誰かの悲鳴が聞こえ顔を上げると、そこには試験管がゆっくり飛んでくるのが見え____
『ﾌﾐｬｱｯ？！(キャアッ？！)』
「Aー！」
ガシャン！音を立てると同時に私は煙に包まれた。
※※
「はぁ…グルさん日に日に脱走するの上手なってないか…？」
グルさんの脱走を阻止し書記長室に戻る最中。何やら慌ただしい足音がすると思えば大先生が駆けてきて、俺を見つけるなりすぐ様こちらへと飛んできた。
「トンち！おった！」
「ん？どしたん大先生」
「Aが…Aちゃんが！」
「…Aに何かあったんか？！」
幹部に可愛がられて嫉妬した誰かに怪我させられたか毛玉を吐いたか、それ位に思って問えば腕の中に居た小さな毛布がモゾモゾ動き出した。
『にゃあ』
「…へ？」
そこから顔を覗かせたのは黒髪に黒い猫の耳を頭から生やした、ちっちゃな女の子やった。
「…大先生の子供…「な訳あるかいな！ちゃんと防止策取っとるわ！」デスヨネー」
アカン、疲れとるのかもしれん。
やってこの子どことなくAに似てるやもん。
「で？大先生、Aおらんどこや」
『にゃー』
「いや、ココやて」
「…はい？」
大先生が腕の中の女の子の手を取り招き猫の様に手をプラプラさせた。
「この女の子がAやって」
『みゃあ』
「…ちょ、タイム…」
頭痛なってきたわ。
※※
「成程つまりくられ先生作の反転薬を被ったAが動物から人間に変化したって事やな？でも言語は動物のままで改善点が見つかったからその為帰られて解毒剤も持って帰られて途方に暮れていた、と」
「トンち凄い説明口調やねぇ…アトソノ、剣降ロシテモロテエエデスカ…」
「ダメに決まっとるやろ(ﾆｯｺﾘ)」
『(あむあむ)』
書記長に戻ってきたトントンさんは大先生を正座させ「なんで解毒剤貰ってこぉへんのや！」とお怒りだ。私はそれを横目に貰ったクッキーを頬張っていた。美味しい。
「くられ先生次来るのいつや」
「三日後やって」
「…それまで俺らが世話するんか…しゃーないな」
ため息をつくトントンさんに『にゃあ』と鳴いて腕を伸ばす。
人の足で二足歩行する筋力が無いのだ。
『みゃー(抱っこ)』
「…はいはい」
抱き上げられ胸に顔を埋めればトントンさんは何故か更に顔を赤くした。
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