おまけ4. ページ18
※Aを拾ったトントン目線のお話。
最近子猫を拾った。名前はA。
いうても拾ったんはゾムやけどな。
「チーッス！トントン、子猫の様子はどや？」
「お前はそろそろちゃんとドアから来いや」
ダクトから降りてきたゾムを叱るも気にすること無く最近保護した子猫に「相変わらずちっこいなぁ」と語りかけては箱を覗き込む。おうやめろや萎縮しとるやんけ。
『ﾋﾟｬｳ』
「A、おはようさん」
『ﾋﾟｨ』
ゾムの挨拶にﾋﾟｬｰﾋﾟｬｰ鳴く子猫が可愛くて胸を抑える。可愛いってホンマ罪やんな。
「ったく…よし、そろそろ飯にしよか」
「子猫のやんな？」
「当たり前やろ。ゾム連れて食堂とか出来へんて」
そう言えばつまらんわと言いソファーにふて寝するゾム。それを横目に俺は箱の中の子猫を抱き上げた。
「食堂行くで」
「えー…俺暇やねんけど」
「なら一緒に来るか？今の時間丁度ロボロとエミさんおるやろ」
そう言えば玩具を見つけた子供のように目を輝かせるゾムに思わず心の中で合掌した。
すまん二人共。頑張ってくれ。
※※
『ﾋﾟｨ！ﾋﾟｬｱｯ』
「はいはいちょお待っててな」
料理長にお願いして魚のすり身とお水を用意してもらう。机の上にはちょこんと座って待つAが早く早くと俺を鳴いて呼んでて胸がキュンキュンした。
「めっちゃ鳴くやん」
「そりゃまだ歩くの覚束へんからな、呼ぶしか無いんやろ」
「にしても顔ゆるっゆるなんやけど？」
「喧しいわ」
茶化すゾムにロボロとエミさんおったで？と言えば食害すべく突っ込んで行った。ふぅ、これで一安心やな。
「お待ちどおさん。ご飯食べような」
『ﾋﾟｨ』
スプーンですり身を差し出せば小さな尻尾をぶんぶん振って、後脚で立ち上がりスプーンを掴みあぐあぐ食べ出すA。
「誰も取らへんよ」
『ﾋﾟｬｱ』
「お水もあるで」
お水の入った小皿を寄せてやれば、てちてちと覚束無い足どりでお皿に向かっていく。ふらふら左右に揺れて歩き、途中でコテっと転ぶ姿がもう可愛すぎて辛い。
「…っあ〜〜…可愛ええ…」
『？』
「ちょ、ゾム！やめろや…ギャーッ！」
「まだまだイケるやろ？！」
「もう無理、です…っ」
二人の阿鼻叫喚を背景に、俺とAはのんびりした時間を過ごすのだった。
(ﾋﾟｬｰ)
(お、どしたん俺の方までやって来て)
(ﾋﾟｯ(手に肉球ぷにっ))
(ン゛ッッ)
(おいトントンが倒れたぞ)
.
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ジーナ(プロフ) - 久しぶりに小説で泣かせられました、、、読んでいると、うちの6代目のネコちゃんを思い出します。 (2021年6月2日 13時) (
レス) id: 5d4a55a6f3 (このIDを非表示/違反報告)
ルクテ(プロフ) - 癒されると思ってたから、突然の展開に感動して大泣きしました(T-T) 黒瀬さんの作品大好きです！続編希望です!! あと、よければ合作とk((ﾅﾝﾃﾞﾓｱﾘﾏｾﾝ (2021年6月2日 0時) (レス) id: 05a910269c (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - あぁぁ、、、悲しい、、大泣きしそうになっちゃいました、、。いやでも、勇敢な夢主さんですよ、、大切な人を守るために命をかける。きっと、来世は幸せ者でしょうね、、、！！ (2021年6月1日 23時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
ウルフグリーン(プロフ) - 泣きたかったけど、勉強中にこっそり見てたので、泣ける暇がありませんでした。感動しました。続編希望です！ (2021年6月1日 19時) (レス) id: cfbc218aad (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - うっ…お恥ずかしながら大泣きしました…！もういい話過ぎてっ…！すごい大好きです！！！続編…めっっっちゃ読みたいです！お願いします！ (2021年6月1日 18時) (レス) id: 71bc8f54f4 (このIDを非表示/違反報告)
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