11.意地悪なオオカミさん kn ページ30
『…ふぇっくち！』
部屋で本を読んでいると換気のために開けていた窓から冷たい風が吹き抜けくしゃみが飛び出す。少し寒いかもしれない…
壁伝いに歩いて窓を閉める。すると丁度その時部屋の扉を開けて入ってくる人物がいた。
「邪魔するでー」
『シッマ、ノック』
「Aには要らんやろ」
『デリカシー無し男』
「知っとる」
なんてシッマは持ってきた本を私に押し付け抱き上げる。そしてそのままさっき座っていたベッドへと降ろされた。
「で、何しとったん？」
『寒いから窓閉めてた』
「…あー、明日雨やからな」
『わかるんだ？』
「ん。雨の匂いするしな」
オオカミ族のシッマは鼻をスン、と鳴らしそう言い放つ。便利でいいなぁ…
『…っくち！』
「ん？まだ寒いんか」
『うぇ…』
窓を閉めても気温も低いのであまり意味はなかったらしい。腕を軽くさすれば、シッマは少し考えた素振りを見せた後私を後ろから抱き締めた。
『？』
「こうすりゃ少しは温かいやろ」
お腹に回された腕と服越しに背中に伝わる熱が温かく、先程まで鍛錬していたのかほんのり香る汗とシッマ自身の匂いに心臓がドキドキ音を立てる。
「ん、どしたん？」
『う、ううん』
平常心、平常心。
シッマに限って大丈夫だと自分に言い聞かせていた時、ふと思い出したようにシッマは自分のシャツに手を掛けた。
「あ、せや。俺鍛錬から上がったばっかりやったわ」
『へ？』
「汗臭いやろ。着替えてくるわ」
なんて私から離れて少し歩き出したところで徐にいつも来てるボーダーのシャツを脱ぎ始め。
『？！！！』
いきなり見せられたあられも無い姿にどうしていいかわからず、何とか顔を逸らすことで精一杯で。
『いきなり脱ぐな！馬鹿！』
なんて真っ赤な顔でそう叫べば弄りスイッチが入ったのか「ほぉーん？」と意地悪そうな声と共に頬に手が伸ばされ。
「その馬鹿の格好に顔真っ赤にしとる奴は誰なんやろなぁ？」
『〜〜っ』
楽しそうに尻尾振るんじゃない！パパとトンちゃんに後で言いつけてやるんだから…！
「ま、構いすぎると本気で怒るしこれ位にしといたるわ」
なんて手を離した彼に油断していると胸元に顔を寄せられぢゅ、と音を立てて離れていった。
そこには赤い華が咲いていて。
「ん、ゴチ」
満面の笑みを浮かべて逃げていったオオカミさんに、私はただ枕に顔を埋めて撃沈する事しか出来なかったのだった。
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すみれいん(プロフ) - 黒瀬さん» 猫ちゃん！大丈夫です！すみません、中々御相手が決めれなかったので助かります！ (2022年1月19日 19時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - すみれいんさん» リクエストありがとうございます！御相手の表記が無いので、問題なければ猫ちゃんになっちゃって、御相手sypとなりますがよろしいでしょうか？ (2022年1月19日 12時) (レス) id: 3a76da62a7 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - リクエストと言うかもし見れるなら見てみたいなぁと言うのが、メンバーの属している獣になっているのを少し見てみたいなぁと思います！兎ちゃんのお話好きなので本編も何回も見てます! (2022年1月17日 9時) (レス) @page49 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
桜の穂 - あぁ”…好きです!更新頑張ってください! (2022年1月7日 15時) (レス) @page42 id: f612835adc (このIDを非表示/違反報告)
tubin - こんにちは！ (2022年1月5日 8時) (レス) id: f053091504 (このIDを非表示/違反報告)
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