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「…あげたいって、俺に？」
「おん。豚さん疲れてるから、って俺にお願いしてきてん」
オスマンが言うには一緒に作る事を条件にお菓子作りを始めたのだとか。確かに彼女の手にあるクッキーは歪だったり小さかったりと大きさが疎らだ。
「この子凄いで。初めて作るって言う割には手際ええし」
「…Aちゃん」
俯いたままの彼女の前に膝を着いて目線を合わせるようにする。
「ごめんな。ちょおイラついててん、怖かったよな」
『…ひっく、ぐすっ』
嗚咽を漏らす彼女の頭を撫でようと手を持ち上げれば触れる直前でビクリと震えられる。
「怖がられとるやん草」
「うっさいわ」
それでも逃げない(逃げられない、の方が正しいのかもしれんけど)彼女の頭をそっと撫でる。
「俺の為に焼いてくれたんよな？ありがとう」
『…ぅ゛ーっ』
涙をポロポロ零し始めたAは俺の胸に飛び込んでギュッとシャツを掴んで顔を埋める。小さな温もりを抱きしめるように背中に腕を回せば小さな手でべちべちとお腹を叩かれた。
「痛い痛い」
『トンちゃんのばか』
「ごめんて。許してや」
『…うん』
「ありがとうな。…ソレ、貰ってもええかな？」
彼女の手に握られた袋を指さす。Aはおずおずと渡してきて、早速赤いリボンを解いてそのうちの一枚を口にした。チョコとナッツか。
「ん！うまっコレ！」
『…ほんと？』
「ホンマやで。これのお陰で頑張れそうやわ」
ありがとうな、と頭を撫でれば頬を赤く染めて頷くA。涙は止まった様だが目元と頬はまだ赤いままだ。
「仲直り出来たやんな？んじゃ俺子うさぎちゃんの顔を冷やしてくるわ」
「すまん、頼むわ」
Aをオスマンに託し抱っこされて去っていくのを見送る。ちっちゃい手を振ってばいばいするAに頬を緩めて振り返せば、彼女は嬉しそうに笑った。
そして書記長室に戻りデスクに向かい直す。自身の仕事と他の奴らの仕事の振り分け処理をしてると書類を手にしたエミさんが入ってきた。
「トントンさんすみません、遅くなりました」
「いや、大丈夫やで」
「こちらが書類で…おや、クッキーですか？」
クッキーに気付いたエミさんは美味しそうですねと零す。
「どなたかの差し入れですか？」
そんな疑問を投げかけるエミさんに
「ん。…優しい女の子が、な」
そうクッキーを齧りながら言えばエミさんもまた優しく微笑むのだった。
その日から俺の好物に彼女の作った菓子が追加された事は俺だけの秘密だ。
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02.Please guard me! zm･syp→←01.甘いご褒美 tn
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すみれいん(プロフ) - 黒瀬さん» 猫ちゃん！大丈夫です！すみません、中々御相手が決めれなかったので助かります！ (2022年1月19日 19時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - すみれいんさん» リクエストありがとうございます！御相手の表記が無いので、問題なければ猫ちゃんになっちゃって、御相手sypとなりますがよろしいでしょうか？ (2022年1月19日 12時) (レス) id: 3a76da62a7 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - リクエストと言うかもし見れるなら見てみたいなぁと言うのが、メンバーの属している獣になっているのを少し見てみたいなぁと思います！兎ちゃんのお話好きなので本編も何回も見てます! (2022年1月17日 9時) (レス) @page49 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
桜の穂 - あぁ”…好きです!更新頑張ってください! (2022年1月7日 15時) (レス) @page42 id: f612835adc (このIDを非表示/違反報告)
tubin - こんにちは！ (2022年1月5日 8時) (レス) id: f053091504 (このIDを非表示/違反報告)
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