08. ページ9
豚さんが用意してくれた部屋に通され再び足枷をはめられる。そしておじさんに足を診てもらおうとした直後に糸目のお兄さんがお部屋に入ってきた。
「ペ神、子うさぎちゃんと少しお話したいんやけどええかな？」
「オスマンが？どしたの」
「ちょっとだけお話したいんよ」
ニコニコ笑顔のお兄さんはおじさんを退室させると「さて」とベッドに座る私の足に触れた。
「君、足生まれつき悪いんやって？」
『う、うん』
「ホンマに？」
『ほ、ほんと、です』
おじさんとお話してた時と違う、少し低くて冷たい声。それにビクビクしながら答えれば、お兄さんはゆっくり立ち上がり私の頬に触れた。
「んふふ、やわっこいなぁ」
『…あ、の』
「俺な？やわっこいお肉好きやねん」
お兄さんはニコニコしながら人差し指で私の頬をつつく。
やわっこいお肉。
…あ、れ？
『あ、う』
「怖がらんでええよ？痛いのは一瞬やからな」
ニコニコ笑顔のままのお兄さんはそのまま口を大きく開けて私の首の辺りに顔を近付ける。
食べられる、と言う恐怖にやっと気付いた私は慌てて逃げようとしてベッドから立ち上がろうとする。
だけど足が上手く動かない私はそのまま体制を崩して床に倒れ、そしてその際口の中を噛んで切ってしまった。
「あ」
『〜ッ』
じわじわと口内に鉄の味が拡がっていく。
泣いちゃダメだ。そう思っていても意思に反して涙は滲み、とうとう目から雫がぽろぽろこぼれ落ちてしまった。
『〜ゔぇっ、ふえぇ…っ』
ぽたぽたとカーペットに染みが出来ていく。お兄さんが駆け寄ってきて「すまん！悪ふざけし過ぎたわ！」と抱き上げあやすもズキズキする痛みは治まらない。
「はぁ、オスマン何しとるん」
「すまん、ちょっと揶揄ったら転けさせてもうた」
私の泣き声を聞いて戻ってきたおじさんがお兄さんの腕にいる私にヨシヨシと頭を撫でる。安心するその手に顔を擦り寄せれば、目が腫れてまうからと氷水を用意しに再び部屋を出て行ってしまった。
「ごめんな？食べるつもりなんて無かったんよ」
『ぐすっ、ほんと…？』
「ホンマホンマ」
グルッぺンの決定には従うで、と言うお兄さんを信じ『ゆるします』と言えばお兄さんは安心したようにごめんな、と目元を拭った。
「俺はオスマンって言うんよ。マンちゃんって呼んでな」
『まんちゃ？』
「めぅ(可愛ええ)」
今度お詫びにお茶会？って言うのに誘うと言ってまんちゃんはおじさんと入れ替わりで部屋を出ていったのでした。
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シルバー(プロフ) - 完結おめでとうございます(遅くなってごめんなさい)続編楽しみにしてます!! (2021年5月15日 2時) (
レス) id: fda507aca1 (このIDを非表示/違反報告)
Web版さん - あなたが噂の(前からお名前だけは知っていた)黒瀬さんですかぁ！最高ですありがとうございます！そして完結おめでとうございます！まじでスラスラ読めたし楽しかったです！タイトル回収が鮮やかすぎてもう「はぁ〜！」と読み終わった時に声が漏れました！応援してます！ (2021年5月12日 3時) (レス) id: 1323f7e7de (このIDを非表示/違反報告)
映画鑑賞(プロフ) - 完結おめでとうございます！毎日更新に楽しみにさせていただいていました！続編もとても気になります！ (2021年5月11日 19時) (レス) id: 70cbc4d72c (このIDを非表示/違反報告)
カンナフューラー・スカーレット(プロフ) - 完結おめでとうございます！続編とても気になります！これからも頑張ってください！ (2021年5月11日 19時) (レス) id: ac012606e8 (このIDを非表示/違反報告)
[ ] - 完結おめでとうございます。続編めっちゃ見たい (2021年5月11日 19時) (レス) id: 44a1044c1a (このIDを非表示/違反報告)
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