06. ページ7
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「ロボロ、飯の時間やで」
「お、もうそんなに経ったんか」
子うさぎの監視をしていたロボロを飯に呼びに行く。片手に持っていたパンとシチューの乗ったトレーは子うさぎ用で、それを届く範囲にあるテーブルに置いた。
子うさぎはと言うと足枷を着けたままロボロの隣に座っていて絵本を読んでいた。
「ロボロお前…絆されたんちゃうやろな？」
「…やって結局食うんやろ？ならその時までは幸せにしてやってもええやん」
心無いコイツがこんな事を言うんや、なんかされたんやろうな。やっぱり俺が監視しとったら良かったか…
「とりあえず飯や。グルさんに報告も兼ねてさっさと行くで」
「あいよ」
部屋を出る際ちらりと子うさぎの方を見る。
少しだけ悲しそうな顔をしていた。
「…大人しくしときや」
それだけ一方的に言って部屋を出た。
※※
それから報告や談笑、内ゲバなどもありあれから二時間経った頃だろうか。
流石に飯を食い終えとるやろうと踏んだ俺はロボロが休息を取っとる間に代わりを勤めようと部屋へと訪れた…のだが、テーブルには手をつけられておらず冷えきった晩飯が置かれたままで、子うさぎはソファーに寝転がって大人しくしていた。
なんで飯食ってへんのや？毒でも入っとると思ったんやろうか。
「…なぁ」
声を掛ければ長い耳が揺れ、ゆっくり俺を見つめる。
「なんで飯食ってへんの？」
怖がらせないように、そっと近付き屈んで目線を合わせる。
『…？ごはん、みんなそろってから食べるから』
「…」
まさか、"いただきます"する為に待っとったって事か…？
「なんでなん？」
『…いつもパパとママといただきますしてるから』
ダメなのかなって思った、と呟いた子うさぎに思わず目元を片手で覆った。あぁ、この子うさぎは本当にただの子供なんや。
普通の環境で、普通の教育を受けたただの子供や。それなのに、俺らは何を警戒しとったんやろう。
「…ならいただきますすれば食べるんやな？」
『うん』
「…ならいただきますしよか」
そう言えば子うさぎは頷いて冷めきったシチューと少し固くなったパンの乗ったトレーを手に取った。俺も夜食用にポケットに入れとったクッキーを手にしてソファーに横に並んで座った。
「いただきます」
『いただきますっ』
ちっちゃなほっぺを膨らましながら冷めた飯を頬張る姿に、俺はズキズキと胸の痛みを感じた。
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シルバー(プロフ) - 完結おめでとうございます(遅くなってごめんなさい)続編楽しみにしてます!! (2021年5月15日 2時) (
レス) id: fda507aca1 (このIDを非表示/違反報告)
Web版さん - あなたが噂の(前からお名前だけは知っていた)黒瀬さんですかぁ！最高ですありがとうございます！そして完結おめでとうございます！まじでスラスラ読めたし楽しかったです！タイトル回収が鮮やかすぎてもう「はぁ〜！」と読み終わった時に声が漏れました！応援してます！ (2021年5月12日 3時) (レス) id: 1323f7e7de (このIDを非表示/違反報告)
映画鑑賞(プロフ) - 完結おめでとうございます！毎日更新に楽しみにさせていただいていました！続編もとても気になります！ (2021年5月11日 19時) (レス) id: 70cbc4d72c (このIDを非表示/違反報告)
カンナフューラー・スカーレット(プロフ) - 完結おめでとうございます！続編とても気になります！これからも頑張ってください！ (2021年5月11日 19時) (レス) id: ac012606e8 (このIDを非表示/違反報告)
[ ] - 完結おめでとうございます。続編めっちゃ見たい (2021年5月11日 19時) (レス) id: 44a1044c1a (このIDを非表示/違反報告)
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