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お風呂を済ませて部屋に戻ればぐったりした様子のグルさんが居た。
「A…俺が手榴弾やったって言うな言ったやん！」
『了承した覚えはないけど？』
悪戯な笑みを浮かべてそう言えばムスッとした顔をして私を後ろから抱きしめる。背中の大きな翼が頬をするりと撫でた。
「全く…お前には適わんな」
『ふふっ』
後ろの温もりに寄りかかればそのまま抱き上げられベッドに降ろされる。
『？』
「だがお前はもう少し自分の価値を知った方がいい」
ベッドに乗り上げてきたグルさんは片手を顔の横につきもう片方をそのまま私の頬に手を添える。
『…脅し材料？』
「そうじゃない」
瞼に整った顔が近付きリップ音を立てて離れる。
「子供じゃなくなった今、その体にも価値がある」
シャツの隙間から大きな手が差し込まれ擽ったくて身を捩る。それにグルさんは歯を見せて悪い笑顔を浮かべた。
「わかったか？お転婆娘」
『…わかったけどさ』
腕を伸ばして頬に触れる。
『どれほどの価値か確かめてみる？』
「…」
挑発してみればグルさんは口角を釣りあげて笑い、だけど両手を上げて私から離れた。
「残念だが手を出したら保護者がうるさそうなんでな」
『そう？残念』
手が離れ上体を起こして残念がる振りをする。
「だがその勇気は評価しよう」
『え』
顎に手を添えられ唇を重ねられる。
『ん、ぅ…』
初めてのキス。キスはレモンの味、と聞いたことはあるが実際はコーヒーの味がするようだ。
初めてのそれに私は上手く息が出来なくて次第に苦しくなる。グルさんは大人の余裕というのか、薄ら笑みを浮かべて角度を変えて深くキスをしてくるばかり。
『や、ぁ…苦し…』
「その割にはいい表情するじゃないか」
ギラリと肉食獣特有の鋭い目。ぺろりと唇を舐める姿でさえも容姿のいい彼がやるととても絵になる。
「…まだ可愛がってやりたいが、そろそろ書類をやらんとトン氏に怒られるんでな」
名残惜しそうに離れたグルさんは首元に顔を近づける。そしてちくりとした痛みを残しゆっくり離れた。
「ではな、我らの姫君よ」
そう言ってグルさんは自分の黒い上着を私に掛け部屋を去っていった。
『…大人って本当ズルい』
インクとコーヒーの匂いのするシャツを抱き締める。
顔の熱がしばらく引くことは無かった。
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シルバー(プロフ) - 完結おめでとうございます(遅くなってごめんなさい)続編楽しみにしてます!! (2021年5月15日 2時) (
レス) id: fda507aca1 (このIDを非表示/違反報告)
Web版さん - あなたが噂の(前からお名前だけは知っていた)黒瀬さんですかぁ！最高ですありがとうございます！そして完結おめでとうございます！まじでスラスラ読めたし楽しかったです！タイトル回収が鮮やかすぎてもう「はぁ〜！」と読み終わった時に声が漏れました！応援してます！ (2021年5月12日 3時) (レス) id: 1323f7e7de (このIDを非表示/違反報告)
映画鑑賞(プロフ) - 完結おめでとうございます！毎日更新に楽しみにさせていただいていました！続編もとても気になります！ (2021年5月11日 19時) (レス) id: 70cbc4d72c (このIDを非表示/違反報告)
カンナフューラー・スカーレット(プロフ) - 完結おめでとうございます！続編とても気になります！これからも頑張ってください！ (2021年5月11日 19時) (レス) id: ac012606e8 (このIDを非表示/違反報告)
[ ] - 完結おめでとうございます。続編めっちゃ見たい (2021年5月11日 19時) (レス) id: 44a1044c1a (このIDを非表示/違反報告)
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