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白い軍服にバッテンマスク。それだけで印象に残る彼は目にも止まらぬ早さで銃を構えた人達を次々斬り伏せて行く。
「後はお前だけだよ？」
「な…っ」
刃についた血を振り払いリーダー格の男に差し向ける。男は舌打ちすると私を前に出し、そしてナイフを首に当てた。
「う、動くな！こいつがどうなってもいいのか！」
『…』
この人お馬鹿さんなんだな。
私はあの人達のご飯になるのに。
「残念だけどその子は人質にならないよ」
「な…」
知っていた。
「俺らがその子を守ろうとしたのは獲物を取られまいとしたから」
「嘘だろ…まさか姫でも何でもなく…」
「そう。…俺達の大事な将来のご飯だからだよ」
動物は獲物を横取りされないよう近付く敵を排除する。それと一緒の原理。それをわたしはわかっていたから期待なんてしていなかった。
お兄さんはどんどん歩み寄ってくる。リーダー格の男の人はカタカタ震えるだけ。
『…』
でも、私はチーノを傷つけられた事が許せなくて、嘘をつかれたことが許せなくて、リーダー格の男の手に思い切り噛み付いた。
『ｶﾞﾌﾞｯ』
「っい゛！」
「！」
『ゔーっ！』
ぎりぎり、と皮膚の肉を食いちぎらん勢いで怒りを込めて歯を立てる。その瞬間、男が「生意気な餓鬼め！」とナイフを振ってきたので咄嗟に離れた。
『いてっ』
「！ひとらんさん！」
「わかってる…！」
バランスを崩し後ろに倒れた私は座り込むようにして男を見上げる。
ナイフは高く掲げられ、今にも振り下ろされようとしていた。
「クソガキが…死ねぇ！」
____刹那、銀の刃が彼の背中を駆け抜けた。
「…死ぬのはお前の方だよ」
ひとらんと呼ばれたお兄さんは刃をカチン、と納め私に駆け寄る。あれ、オオカミさんだけど…何か違う…？
「怪我は無い？大丈夫？」
『う、うん』
「そっか。…良かった」
お兄さんは私を抱き上げチーノの方へと向かう。チーノは「良かったぁ」と安堵のため息をついていた。
「…もしもしロボロ？侵入者排除。チーノが負傷したからペ神のとこ行くわ」
耳元のインカムでお話した後ひとらんって人が私を見つめた。
「…もう大丈夫だからね」
大きい手が頭を撫でる。それが心地よくて『ﾌﾟｩｰ』と鳴きながら受け入れれば優しく微笑まれた。
「…ちっちゃくて可愛いね」
『？』
「ううん、何でもない」
今度またお話しようね、と言ってらんちゃん(って呼んでって言われた)と別れ、わたしはチーノに着いていくのだった。
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シルバー(プロフ) - 完結おめでとうございます(遅くなってごめんなさい)続編楽しみにしてます!! (2021年5月15日 2時) (
レス) id: fda507aca1 (このIDを非表示/違反報告)
Web版さん - あなたが噂の(前からお名前だけは知っていた)黒瀬さんですかぁ！最高ですありがとうございます！そして完結おめでとうございます！まじでスラスラ読めたし楽しかったです！タイトル回収が鮮やかすぎてもう「はぁ〜！」と読み終わった時に声が漏れました！応援してます！ (2021年5月12日 3時) (レス) id: 1323f7e7de (このIDを非表示/違反報告)
映画鑑賞(プロフ) - 完結おめでとうございます！毎日更新に楽しみにさせていただいていました！続編もとても気になります！ (2021年5月11日 19時) (レス) id: 70cbc4d72c (このIDを非表示/違反報告)
カンナフューラー・スカーレット(プロフ) - 完結おめでとうございます！続編とても気になります！これからも頑張ってください！ (2021年5月11日 19時) (レス) id: ac012606e8 (このIDを非表示/違反報告)
[ ] - 完結おめでとうございます。続編めっちゃ見たい (2021年5月11日 19時) (レス) id: 44a1044c1a (このIDを非表示/違反報告)
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