15. ページ16
「(じー)」
「Aちゃん？飯食わへんの？」
『う、うん』
ご飯の時ずーっと見られたり
『えと、えと』
「…何しとんねん」
『あ、のね、エーミールに本返したくて』
「チッ…俺がやっといたるから部屋に居るんやぞ」
舌打ちをしては本を受け取って部屋に居るよう言ったり
「Aちゃん今日から一人で寝れるか？」
『…ひとり？』
「おん。シッマ…コネシマって奴が居んねんけど、いつまでも甘やかしたらアカンやろって正論言われてもうてな」
『…わかった』
部屋に私を一人ぼっちにさせたりするコネシマっていうお兄ちゃん。
私、嫌われてるのかな。
静かで寂しい部屋の中で毛布にくるまって目を閉じた。
『…ぱぱ…まま…』
※※
結局寝れなくて朝日が窓から差し込んだ頃ゆっくり起き上がる。とっても、眠い。
今日はあのお兄ちゃんに会いたくないなと思っていたけど、それはすぐ叶わなくなる。なんでかと言うと部屋にお兄ちゃんが入ってきたから。
「あ？もう起きとったんか」
『…！』
警戒する私にお兄ちゃんは近付き腕を掴む。鋭い爪が肌にくい込んで血が滲み、痛くて顔をしかめた。
『い、たぃ』
「寝とった方が怖い思いせんで済んだのにな」
お兄ちゃんが何を考えてるのかは分からない。
光のないスカイブルーの瞳が私を捉えて離さなかった。
『あ゛、ぅっ』
「痛いか？」
『い、たい…っ』
痛い、けど泣き喚いたら皆が起きちゃう。迷惑をかけちゃう。それだけは絶対嫌だ。
「…なんで泣かへんねん」
『？』
「痛いって泣けや。嫌だ、帰りたいって泣き叫べや。そうすれば…苦しい思いなんて…っ」
…なんでなんだろう？
私よりもお兄ちゃんの方が、ずっと苦しそうな顔をしてる。
『おにい、ちゃ…っ』
「はーいそこまでなー」
「！」
しゅるり、と一瞬のうちに白い鞭のようなものがお兄さちゃんに絡みついて動きを止める。そして二つの牙がお兄ちゃんの首元に突き刺さり、お兄ちゃんは力なく床に落ちた。
「遅くなってごめんなぁ？大丈夫？」
そこに居たのは白蛇で、お兄ちゃんから離れると同時にいつもの姿へと戻った。
『…おじさん…っ』
「腕診せてな？…あーこりゃ酷い。ちょお人呼ぶから大人しくしててな？」
おじさんが耳元に手を当ててから数分後、直ぐにトンちゃんが部屋に飛び込んできてため息をつく。
そしておじさんが事情説明したと同時にお兄ちゃんをトンちゃんに押付けた。
「不器用すぎやって説教しといてや」
『？』
どういう事だろ…
.
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シルバー(プロフ) - 完結おめでとうございます(遅くなってごめんなさい)続編楽しみにしてます!! (2021年5月15日 2時) (
レス) id: fda507aca1 (このIDを非表示/違反報告)
Web版さん - あなたが噂の(前からお名前だけは知っていた)黒瀬さんですかぁ！最高ですありがとうございます！そして完結おめでとうございます！まじでスラスラ読めたし楽しかったです！タイトル回収が鮮やかすぎてもう「はぁ〜！」と読み終わった時に声が漏れました！応援してます！ (2021年5月12日 3時) (レス) id: 1323f7e7de (このIDを非表示/違反報告)
映画鑑賞(プロフ) - 完結おめでとうございます！毎日更新に楽しみにさせていただいていました！続編もとても気になります！ (2021年5月11日 19時) (レス) id: 70cbc4d72c (このIDを非表示/違反報告)
カンナフューラー・スカーレット(プロフ) - 完結おめでとうございます！続編とても気になります！これからも頑張ってください！ (2021年5月11日 19時) (レス) id: ac012606e8 (このIDを非表示/違反報告)
[ ] - 完結おめでとうございます。続編めっちゃ見たい (2021年5月11日 19時) (レス) id: 44a1044c1a (このIDを非表示/違反報告)
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