22.私の幸せ、貴方の幸せ ページ23
初めて間近で見た整った顔
男の癖に長く、上を向いてる睫毛
くせっ毛でフワフワしてるけど、さらりとした髪
『…っ！ん、ぅ…！』
それにしばらく見とれ、やがて自分がキスされてると認識するとやっと脳が抵抗することを指令して両腕に力を込める。
『っ、はぁ…っ、な、なに、して…っ』
「すまん、可愛ええからつい」
『かわ…っ？！あんた、私のファーストキス…っ』
涙目になりながらそう言いかけ慌てて口を噤む。しかしそれは遅かったらしく優希は嬉しそうに微笑み顔を覗き込んできた。
「ごめんて。でも可愛ええ顔するAも悪いんやぞ？」
『なんでよ！』
「やって想いに気付いた途端可愛ええ顔するんやもん。止まれる訳ないやん」
『責任転換もいい加減にし「えいやっ」っぐ？！』
いい加減にしろと叫ぼうとすれば手を引かれ腕の中にすっぽり収まってしまう。私より遥かに大きい体はあやす様に背中を撫で、頭を撫で、私を容易く安心させてしまう。
『〜っ』
「ファーストキス、ごめんな」
『…嫌じゃ、無いから…っ、いい、よ…っ』
感情が昂ったまま訳が分からなくなってきて涙が溢れ出す。
本当は嬉しい。優希にキスしてもらったことも、好きだって言ってくれたことも。
だけど色んな出来事を処理し疲れ果てた頭は思考するのを放棄して、悲しい訳でもなく涙を流した。
『わ、たしっ、本当は、優希が好きって、気付いたの』
「…」
『でもっ、優希が、好きなの、っ日野さん、だからっ…言わないでおこうって、きめて…っ』
押し殺していた気持ちを吐き出す私を優希は優しく見つめる。
「…俺の幸せがAの幸せやから、って？」
『ゔん…っ』
「…そっか」
それだけ呟くと優希は細い指で頬を濡らす涙を優しく拭った。そしてまた、ゆっくりと整った顔が近付けられる。
「…なら、自惚れてもいいん？これからもAの隣におってもええって」
優希の幸せは私が隣にいること。
つまりこれからも居ていいのだろうか。
優希の隣に。親友以上に大切な存在として。ずっと。
『…っうん…！優希が居ないと…嫌…っ』
服を掴みながらそう言えば優希は優しく微笑んでもう一度唇を重ねる。
『ん、ぅ…っ、ん…っ』
初めての慣れないキスに唇を柔く食まれる度に声が漏れる。恥ずかしい、でも、このままでいたい。
『ん、…っゆ、うっ、き…』
息苦しくなってきたところで胸を叩けば優希はそっと体を離し、くったりする私を抱きしめ嬉しそうに笑った。
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ミカ - 完結しましたね正直何回も見ました笑 神作品ですね 凄くドキドキするような作品で見ていてとてもよかったです！更新お疲れ様でした！ (2021年2月26日 19時) (
レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
コップ - めっちゃ楽しい (2021年2月22日 19時) (レス) id: acc4622c57 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ - 続きが楽しみです！更新がんばえ〜！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - この作品めちゃ好きですぅ...もしかして書いてる人神様ちゃう？続き楽しみにしてます！更新頑張ってください、応援してます！！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: 3667a403af (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 神様を見つけてしまった、、、！続きの展開がどうなるのか凄く気になります！皆さん同様に、応援しています！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
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