13.嫌われても、尚 ページ14
あの後どうやって帰ってきたかさえ覚えていない。
覚えているのは優希の悲しそうな顔だった。
なんであんたがそんな顔してるのよ。
笑えばいいじゃない。隣に可愛い彼女がいるんだから。
親友だった私の席なんてもう、そこには無いんだから。
※※
ピンポーン、とインターフォンが鳴り響く。重たい体を引きずってドアチェーン越しに扉を開ければ、そこには何故か彼らが居て。
「こんにちは。お見舞いに来ましたよ」
『…ショッピ、君』
「僕もおるで〜」
ショッピ君の後ろには鬱先輩もいて。生徒会でも慣れている二人を見て安心したのか涙が零れ落ちた。
「え、ちょ、大丈夫？！」
「…とりあえずベッドに戻りましょう。部屋入っても平気っすか」
『…ん、大丈夫』
涙を拭く私の肩を抱いてショッピ君達と共に部屋へと向かった。
「…大丈夫ですか？体調もですけど、その…」
『…』
優希と日野さんの事だろう。
自然と浮かぶ作り笑いと共に口を開いた。
『…チーノ君と私はもう関係ないから、平気だよ』
「…」
「Aちゃん…」
優希、じゃなくてチーノ君。もう私達は関係ない人間だ。だからもう、名前で呼ぶ必要も無い。
隣にいる権利も、名前を呼ぶ権利も、全部あの子が持ってしまったから____
「…でもな、あの子もあの子で色んな噂聞くねんで？」
『…え？』
鬱先輩が腕を組み「あのな？」と言葉を続ける。
「あの子前の学校でも見た目や言動を上手く利用して色んな男に言い寄られてたみたいでな？取っかえ引っ変えしてたらしいねん」
『…わぁ』
男ウケを狙った様な姿と仕草をしているなと思っていれば案の定だった。
「こっちでは隠しとるらしいけどな。チーノと付き合う前から僕に近寄ってきたりしとったし…多分やけどあの子本命別におると思うで」
鬱先輩はプレイボーイだ。だからこそ分かる何かがあるのかもしれない。
『…信じていいんですよね、それ』
「前半の話に関してはそれなりに信頼しとる筋からの情報やから信じてええで」
鬱先輩の言葉に頷き手に力が篭もる。
もしこれが本当やら優希だって傷付く可能性がある。何としてもそれだけは避けなければ。
『…ショッピ君、鬱先輩、お願いがあります』
「…どしたん？」
「Aさんのお願いならなんでも聞きますよ」
私に微笑んでくれる二人にありがとう、と涙を流しながら手を握る。
『…協力をして欲しいの』
私は嫌われてもいい。
ただ、優希を傷付けたくなかった。
そう思うのは、きっと____
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ミカ - 完結しましたね正直何回も見ました笑 神作品ですね 凄くドキドキするような作品で見ていてとてもよかったです！更新お疲れ様でした！ (2021年2月26日 19時) (
レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
コップ - めっちゃ楽しい (2021年2月22日 19時) (レス) id: acc4622c57 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ - 続きが楽しみです！更新がんばえ〜！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - この作品めちゃ好きですぅ...もしかして書いてる人神様ちゃう？続き楽しみにしてます！更新頑張ってください、応援してます！！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: 3667a403af (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 神様を見つけてしまった、、、！続きの展開がどうなるのか凄く気になります！皆さん同様に、応援しています！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
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