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人間ではない"ソレ"は人間の頭より一回り大きい口で舌なめずりをした。どうやら私を食べるつもりらしい。
____化け物
恐怖とパニックに陥った体は動かず、口も上手く動かない。
『や、だ…っ』
「食べ、たイ…タベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイタベタイ
____食べタイ」
呪詛のような声の後にと大きな口が開いた瞬間
「にゃあ」
『っ?!』
1匹の猫が飛び出し、突然眩しい光で化け物を怯ませた。その光に化け物が怯み、その隙に掴んでいた手を引っ掻いて私と化け物を引き剥がした。
『しょ、っぴ…っ』
「フシャー!」
ぴーくんは私を守ろうと化け物を威嚇する。だが化け物も獲物を目の前にして逃がすわけにもいかないらしくジリジリと距離を詰めてきていた。
どうしよう、このままじゃ…
『っあ、あっち行って!化け物!』
近くに落ちていた空き缶や石を投げるも化け物は平然としている。やっぱりこういうのは効かないの…?
「食べ、たイ」
最早それしか呟かなくなった化け物はジリジリとまた距離を詰めてくる。
「フーッ!!」
『ダメ、しょっぴ!』
私を守ろうとしょっぴが化け物に飛びかかる。だけど体格差なんて一目瞭然で、化け物はしょっぴの体を掴むと思い切り地面に投げつけた。
『っしょっぴ!!!』
近くの自販機にぶつかる前に飛び込んで小さな体を抱き留める。勢いよく自販機にぶつかった体は鈍い痛みで顔が苦痛で歪み、口の端から血が垂れた。
「みゃあ!」
『へい、き…』
大切な家族だもん。絶対守るよ。
「食べタい」
『…どうしよっか。逃げれないや』
痛む体と目の前の現実に諦めてしまおうかと思ったその時、ふとしょっぴの首元に下がっている鈴が目に入った。
____"困った事があったらこれを使ってな"
『…誰?』
脳裏に浮かぶ昔の…記憶?
「…タベタイ、タベタイタベタイ」
『…ッ!』
化け物が再び口を大きく開ける。
迷ってる暇なんて無かった。
猫のsypを抱き寄せ鈴に願いを告げる。
『…おね、がいっ、神様でもなんでもいい!だから…ッ』
____誰か…ッ 助けて…!
「____やっと俺を呼んだな?」
『…え』
刹那、今はもう枯れてしまった筈の桜を巻き込んだ風が私を包む。
「タベタイタベタイタベタイタベタイタベタ「やかましいわ。雑魚」ギャッ」
橙色の着物を身に着けたその人は抜いた刀で化け物を一刀両断した。
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まる(プロフ) - 続編あるのちゃんと見てなくて、「あとがき」で心臓止まるかと思った…その後の安心感ったらありゃしない…ww 続編見てきます! (2023年4月11日 2時) (レス) @page50 id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
お月様 - うわ〜〜!推しが守ってくれるってヤバイよ!次の章も楽しみにしてます! (2021年3月12日 17時) (レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ@絶望少女です。(プロフ) - ねぇ…推しが尊いんですが!?どうしたらいいんだよォォォォォォォォォォオ!!・゜・(つД`)・゜・ (2021年3月6日 17時) (レス) id: a5be711894 (このIDを非表示/違反報告)
海猫0126 - こんばんは!小説面白かったです^^これからも投稿がんばって下さい! (2021年3月5日 20時) (レス) id: ecd79149f7 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - ちなみに初見です。好きです。() (2021年2月28日 0時) (レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
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