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rb side
『…ロボロさん』
鈴を通して聞こえた彼女の声。俺を呼ぶ優しい声。
「____どしたん？何かあったん？」
その声に桜の花びらを巻き込んだ風と共に彼女の前に姿を現す。彼女の手元にはどら焼きとお茶が用意されていた。
『何があったって訳じゃないんですけど…良かったら食べませんか？』
「…」
妖も人間の食いもんを食うことは出来る(供え物とかあるしな)。半分に切られた栗餡のどら焼きと鮮やかな緑の煎茶を見比べ、たまにはいいかとそれを有難く貰い彼女の向かいに座った。
「頂きます。…ん、美味いなこれ」
『グルッペンさんお気に入りなんだそうです』
「ふぅん…中々やるやん」
素朴な甘さが癖になる美味しさであっという間に平らげてしまい小さな包みに目をやる。
『…もう一個食べますか？』
「ええの？」
『はい。どうぞ』
彼女から許可が降りてもう一個受け取る。それを雑面を口元だけズラして頬張っていると彼女が俺を見て嬉しそうに笑っていることに気が付いた。
「どしたん？」
『いえ、こうして一緒にゆっくりするのは初めてだなと思って』
彼女に言われてそう言えばと気が付いた。
彼女と俺の間には血の契約があり守る存在であるという事を。
俺と彼女はこうしていられる存在では無いという事。
『ロボロさんとお話してみたいなって思ってたんです』
「…そうなん？」
『はい。ロボロさんいつも私のお願い叶えるとすぐ消えてしまうので』
彼女が助けて、と強く願う度に俺は姿を現し彼女を守る。そういう"契約"だから。俺は彼女が望む以外に姿を表すことは許されない。
それが____※※だから。
『…ロボロさん？』
彼女の声にふと我に返る。
彼女は不思議そうな顔をしていた。
「…何でもないわ。それより俺喚んでてええんか？」
自由に動く事の出来ない妖を召喚するにはその間、その空間に縛り付ける為に力を消費する。
『もう少しだけ駄目ですか？』
「駄目や。何かあったらどうすんねん」
『…わかりました』
少しだけ寂しそうな彼女に辺りを見回す。そう言えばショッピ君もグルッペンの使い魔も今は居らんのな。
寂しそうな彼女に仕方ないなと隣に移り頭を優しく撫でる。ガラス玉のような綺麗な目が驚いたように見開かれた。
「…また今度の招待、待っとるな？」
ふわり、雑面が揺れて目と目が合う。
『…はい！』
桃色に染まった頬に満足し俺は再び眠りについた。
「…"待っとる"、なぁ」
そんな事言う資格、俺には無いのにな。
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まる(プロフ) - 続編あるのちゃんと見てなくて、｢あとがき」で心臓止まるかと思った…その後の安心感ったらありゃしない…ww 続編見てきます！ (2023年4月11日 2時) (
レス) @page50 id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
お月様 - うわ〜〜！推しが守ってくれるってヤバイよ！次の章も楽しみにしてます！ (2021年3月12日 17時) (レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ@絶望少女です。(プロフ) - ねぇ…推しが尊いんですが！？どうしたらいいんだよｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫオ！！・゜・(つД｀)・゜・ (2021年3月6日 17時) (レス) id: a5be711894 (このIDを非表示/違反報告)
海猫0126 - こんばんは！小説面白かったです^^これからも投稿がんばって下さい！ (2021年3月5日 20時) (レス) id: ecd79149f7 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - ちなみに初見です。好きです。() (2021年2月28日 0時) (レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
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