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「な、なぁA」
『どしたのチーノ』
「その、な？放課後保健医に雑用頼まれたんやけど…その、一人じゃ厳しい量やから手伝って欲しいねんけど…」
『うん、いいよ』
友達だもんね、と笑ってくれたAに酷く胸が痛んだ。
「…」
一匹の黒猫が窓際の木からその光景を見ていたとは知らずに。
※※
『失礼しますーって、あれ…チーノいない…』
放課後になり頼まれた通り保健室にやって来たが彼の姿は無く、保健医の鬱先生が「わざわざごめんなぁ」と笑みを浮かべた。保健室は芳香剤だろうか、すごく甘ったるい匂いが充満している。
…それになんだろう、先生に凄く違和感を感じる。
「チーノもう少ししたら来るらしいねん。それまでお話せぇへん？」
『結構です』
「つれへんなぁ」
そう言って鬱先生は私の手を取りにっこり微笑む。
「僕はAちゃんと仲良うなりたいんやけどなぁ？」
『…私は思ってません。それより手を離してください』
「えーなんでなん？」
『生徒にベタベタ触る教師とかPTAに訴えられますよ』
「平気やって。やって…」
目を伏せた鬱先生がそっと目を開ける。
"あの目"だと気付いた瞬間私は彼を突き飛ばし逃げようと扉に手を掛ける。が、しかし。
「逃がさへんよ？」
『っ、あ、れっ？』
脚から力が抜けてその場にぺたりと座り込む。
なんで、どうして？
混乱する頭で思い当たったのはあの匂いで。
「お、やっと効いたんやね」
『…な、に…っ』
「これな？僕らの一族では慣れ親しんだお香やねん。どう？体熱なってきたやろ♡」
そう言われると体はじんわり熱いし体が思うように動かない。この前の事もあって早く用を済ませて逃げようとおもったのに…
動かない体で彼を睨んでいると鬱先生はにっこり笑って背中からコウモリのような翼を広げて私の前にしゃがみ込んだ。
「んじゃ、お話しよか？」
『…何をですか』
「君を守っとる鬼神の事やで」
『！』
鬱先生の細い指が頬を撫で顎へと滑りクイ、と持ち上げる。
「色々調べても尻尾が掴めへんのや…君自身隠しとる事とかないん？」
『…無いし、あったとしても貴方には教えない』
「あら、嫌われとるんやなぁ悲しいわ」
仕方ないわな、と鬱先生が青色の目を桃色に染めて目を合わせる。
「なら多少荒療治しても仕方ないわなぁ？」
あの目を思い出し息を飲む。
「…Aさんに何してるんすか」
「わぎゃっ？！」
だけどそれは飛び込んできた猫のショッピによって阻止された。
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まる(プロフ) - 続編あるのちゃんと見てなくて、｢あとがき」で心臓止まるかと思った…その後の安心感ったらありゃしない…ww 続編見てきます！ (2023年4月11日 2時) (
レス) @page50 id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
お月様 - うわ〜〜！推しが守ってくれるってヤバイよ！次の章も楽しみにしてます！ (2021年3月12日 17時) (レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ@絶望少女です。(プロフ) - ねぇ…推しが尊いんですが！？どうしたらいいんだよｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫオ！！・゜・(つД｀)・゜・ (2021年3月6日 17時) (レス) id: a5be711894 (このIDを非表示/違反報告)
海猫0126 - こんばんは！小説面白かったです^^これからも投稿がんばって下さい！ (2021年3月5日 20時) (レス) id: ecd79149f7 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - ちなみに初見です。好きです。() (2021年2月28日 0時) (レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
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