24. ページ25
____ズルズル。
『っ！…いない…』
最近校舎でよく聞こえる何かを引きずる。それに振り返るも姿は無く、また噂もされてない事から私にしか聞こえてないのだろうと誰にも言えずチーノに目配せをした。
「(妖の類やろうなぁ)」
『(やっぱり…)』
頭の中に響く声、所謂テレパシー的なものでの会話も慣れてため息を着く。変な事して来なければいいけど…
なんてことを考えているとポケットの携帯が震えそれを机の下で確認する。メッセージの差出人は最近仲良くなったマンちゃんからだ。
＜放課後、教員室へ＞
『？』
それだけの短いメッセージ。チーノにそれをテレパシーで伝えれば「俺放課後先生に呼ばれとんねん」と言われ、私が一時的にフリーになるから避難しろという意味らしく了承した旨を送り返した。
『(でもなんで教員室？校舎から出た方がいいんじゃ)』
「(あー…まぁ、その時になればわかるで)」
『(？)』
楽しみにしてろ、と笑うチーノは結局最後まで教えてくれず、私は放課後を迎えたのだった。
※※
＜放課後、鐘が鳴ったらすぐ走って逃げ込んで＞
再びメッセージが届き、私はHR終了の挨拶を済ませると同時にカバンを持って駆け出した。チーノに念の為護身用の御札を3枚貰ったけど、それでもやっぱり怖いものは怖い！
ズルズルとあの足音が後ろで聞こえる。やっぱり居る。ここに____
「ネぇ、あなタ」
『っ！』
「私のあシ、知らナイ？」
女性の下半身は無く歩けないからか体を引き摺っている。音の正体はこれか、と判明すると同時に私が何も答えないからか女性はにっこり笑って私を指さした。
「…あら？あルじゃなイ」
『え…』
「…あなたが、持っテるじゃナイ」
にたり、と口元を三日月の様に吊り上げて笑う女性。その笑みに背筋がゾクッとし、踵を返して駆け出した。
「待ちなサい！私の足ィいいいいい」
腕で這ってるとは思えないスピードで私を追いかけてくる女性。結界でも張られてるののか放課後の校舎には誰もおらず、いつの間にか辺りが暗くなっている。
なんですぐ向かわなかった？私の馬鹿！
怖くて涙目になるも足は止めずに辿り着いた教員室の閉じるに手を掛ける。
『誰か…っ！誰か！助けて！』
だけど扉は鍵が掛かったように動かなくて。背後に彼女の気配もしてきてもうダメかと思ったその時。
「…よく頑張りましたね」
『え…』
聞き慣れたその声が開かれた扉から聞こえ、それと共に淡い青色の蝶が現れ私を守るように辺りに散らばった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 759人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まる(プロフ) - 続編あるのちゃんと見てなくて、｢あとがき」で心臓止まるかと思った…その後の安心感ったらありゃしない…ww 続編見てきます！ (2023年4月11日 2時) (
レス) @page50 id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
お月様 - うわ〜〜！推しが守ってくれるってヤバイよ！次の章も楽しみにしてます！ (2021年3月12日 17時) (レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ@絶望少女です。(プロフ) - ねぇ…推しが尊いんですが！？どうしたらいいんだよｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫオ！！・゜・(つД｀)・゜・ (2021年3月6日 17時) (レス) id: a5be711894 (このIDを非表示/違反報告)
海猫0126 - こんばんは！小説面白かったです^^これからも投稿がんばって下さい！ (2021年3月5日 20時) (レス) id: ecd79149f7 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - ちなみに初見です。好きです。() (2021年2月28日 0時) (レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
