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最近見慣れてしまった青年は右手に妖だった物を握りしめて私を振り返った。
「怪我はしてへんか？」
『へ、平気です…』
助けてくれたし妖も見える彼をすぐ信用してしまった私はありがとう！と彼への警戒を解いてしまった。
"Aさんはお人好しすぎます"
そうショッピにも言われていたのに。
「いやぁええで？獲物横取りされるの腹立つしなぁ」
『え』
笑顔のままの彼は私の額にデコピンを当てる。
だけどその威力は額が軽く痛むレベルではなく、体が軽く吹っ飛ぶほどの威力で私に体は壁に叩きつけられた。
『っあ゛…っ』
ずり落ち壁にもたれ掛かる私に彼は「くはは」と笑いながら片手で首に触れる。しかしその顔は笑顔のままだ。
「アンタ美味そうな匂いしとるんやもん。盗られた無いわ」
『ゔ…』
美味そうな匂い、ということは彼も妖なのだろうか。ギリギリと首を絞められ苦しくて呻くと彼は嬉しそうに笑った。
「アンタを食えばな？きっと俺満足できる気がすんねん」
『どういう、事…』
「俺な、ずっと昔から何食っても腹減ってん。やけどアンタこの前おにぎりくれたやろ？そん時だけすごい満たされたんよ」
やからアンタを食えば満たされるんかと思ってな、と言う彼は口元をぺろりと舐めた。
『ずっと、昔…？ひとり、だったの…？』
「せやで」
『…それ、っで…』
彼はずっと1人だったから気付いて居ないんだ。自分が独りで寂しかったということに。
だから間違った方向に進もうとしている事に気付けないんだ。
『そ、うしても゛…きっと、変わらな゛い…っ』
「どうしてなん？」
不思議そうに首を傾げる彼はそのまま顔を近づけて覗き込む。
『だって…貴方は、一人で寂しいだけ…っ』
言葉を続けようとすれば手に力が込められ思わず呻く。ペリドットの瞳は冷たく細められ私を見詰めた。
「餌が知ったように口聞かへんでくれるか？」
『あ゛…』
大きく開けた口から覗く鋭い歯。それは私の肩に押し当てられると同時に噛まれ、赤く染めあげた。
『痛…ッ』
「！うっま！」
痛みで叫びそうになるも彼の手がそれを封じ込め赤く濡れた唇を舐める。ちろりと見えた舌の先は割れていて、まるで蛇のようだった。
「なんやコレ、たまらんわ…」
どくどくと血の流れるそこは燃えるように熱く顔を顰める。痛みを逃すように体を丸めていれば美味な血を飲んでご満悦になったらしい彼に腕を掴まれた。
「決めた。お前俺のモンになれ」
『は？』
.
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まる(プロフ) - 続編あるのちゃんと見てなくて、｢あとがき」で心臓止まるかと思った…その後の安心感ったらありゃしない…ww 続編見てきます！ (2023年4月11日 2時) (
レス) @page50 id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
お月様 - うわ〜〜！推しが守ってくれるってヤバイよ！次の章も楽しみにしてます！ (2021年3月12日 17時) (レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ@絶望少女です。(プロフ) - ねぇ…推しが尊いんですが！？どうしたらいいんだよｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫオ！！・゜・(つД｀)・゜・ (2021年3月6日 17時) (レス) id: a5be711894 (このIDを非表示/違反報告)
海猫0126 - こんばんは！小説面白かったです^^これからも投稿がんばって下さい！ (2021年3月5日 20時) (レス) id: ecd79149f7 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - ちなみに初見です。好きです。() (2021年2月28日 0時) (レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
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