幹部は彼女を甘やかし隊2【d! / all】

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zm side

「一応昔のらだお君と同じ状態だったから筋肉が強ばる薬入れて、少しずつ制御していく方法をとることにしました。今はあんまり動けてないけど少しずつ慣れていけば大丈夫なはず」
「副作用とかは？」
「これは無いので大丈夫」

膝枕されながら目を閉じて動かないAの頭を優しく撫でる。辛そうやなぁ…代わってあげたいくらいや。

「早ければ2〜3日で問題なく動けるようになるはずです。それ迄は積み木とかボールを掴むリハビリとかでもやってみましょう」
「だってさA。子供らしく遊んどけよ〜」

頬を突いてくる手にイラッとしたのか、Aがその指に思い切り噛みついた。いいぞもっとやるんだ！

『づら。はげ。きらい』
「悪口言う元気はあるんじゃんか」
『ぶす』
「はいはい」
『どぶす』
「進化させんな」

機嫌が悪くなってきたAはそう言ってそっぽを向いてしまった。やけど俺が頬を撫でると嬉しそうに目を細める。うーん可愛ええ。

「とりあえず今はそんな感じで様子見ですね。どうします？案内に戻られても問題ないとは思いますけど」
「あー…でもなぁ」

傍に居てやりたいわと思って居ると膝の上にいたAをらっだぁさんが抱き上げて猫のように持っていた。

「なら俺ここでレウとテレビ見てるし、コンちゃん交代でよろしく〜☆」
「は？」
「えー面倒くさくなっただけじゃん」
「そうとも言うね」

んじゃ、よろしくと言ってらっだぁさんとAはテレビ前の席に移動して一緒にテレビを見始めた。

…いつの間にあんなに仲良くなったんやろ。

胸が何故かモヤモヤした。

「仕方ないなぁ…ゾムさん、どこまで案内されました？」
「…あ、えーっと」

2人の事が気になりすぎて、コンタミさんが案内してくれたけど正直頭に入って来なかった。

※※

『はげ』
「はいはい」
『ぶす』
「はい」
『…はげ』
「はいよ」

膝の上で寝転がってるAは何度も悪口を言っていたけど、無視してテレビに集中する。機嫌が悪いならそっとしとくのが1番だもんな。

それに明日からリハビリするし。

「レウそのチョコくれー」
「あいよ」

手渡されたチョコレートをAの口に押し込む。

「明日から頑張れよな」
『…ん』

もぐもぐしながら頑張ると言ったAの頭を撫でてやれば嬉しそうにはにかんだ。

なるほど、こりゃゾムさんも夢中になるわ。
だってめっちゃ可愛いもん。

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