28 ページ29
mdr side
小さい女の子はやはり捜索対象の女の子だった。
「ッチ、邪魔しやがって」
「ｷｮｰｻﾝ浅ｲﾖ」
「わかっとんねん！」
きょーさんは腰のホルスターから銃を抜いて男に向ける。護身用の殺傷能力の低い銃。それを抜いて撃ち込んだけど、男はそれを躱して剣を抜いた。
広場はそれによって悲鳴や驚いて逃げる人で騒がしくなる。
「どりみー、その子連れて下がろ」
「ｳﾝ､ﾜｶｯﾀ」
『っ、う゛…ひっく…』
抱き締めたままの女の子は本当に怖かったのか声も出さずにぽろぽろと涙を零していた。
大丈夫、もう怖くないからね。
背中をポンポン撫でて下がればらだお君が掌に拳を打ち込みながら「よっしゃー」とやる気を出していた。
「幹部の人達に連絡しといたよ」
「流石コンちゃん！」
後ろで待機してたコンちゃんとレウに合流して女の子を守るように囲う。
「どうせならこの国に恩売っとこうぜー」
「さんせーい」
こういう時だけきょーさんとらだお君の息が合うの、本当に何なの？
まああの二人がいればすぐ終わるでしょ。
泣きじゃくる女の子のフードが風で揺れて外れる。
真っ白な髪に最初は驚いたものの、気にせず安心させるように何度も背中を叩き続けた。
※※
「はいドーン」
「ぎゃあっ？！」
青いニットぼうの人が男の人をふっとばす。
ほそみなのに、すごい。
それに何度も剣をよけているのにまったくいきを切らしてない。
男の人はニットぼうの人の飛び蹴りをくらってたおれ、さっきの喧嘩腰のお兄さんが男の人を後ろ手でこうそくした。
「ﾓｳ大丈夫ﾀﾞﾖ」
『ぐすっ…うん…』
ずっとそばに居てくれたお兄さんはにっこり笑ってわたしの手を引いてお兄さん達の所に連れて行ってくれた。
『あの、その』
「おー無事やった？いやぁよかったわ」
『ありがとう、ございました』
「ええんやで」
「俺らは遊んでただけだからさー」
いい運動にはなったよね、とニットぼうの人は笑う。
遊んでたわりにはかなり激しい運動だったのでは…？
「お嬢ちゃん名前は？なんて言うん？」
煙草に火を付け始めたお兄さんの目を見る。
大丈夫、怖くない。
『…A』
「Aちゃんか。ええ名前やな」
お兄さんは煙草を咥えてにっこり笑った。
「俺はな、金豚きょーって言うねん」
『ぶたさん？』
「…そうやな」
『ぶたさん、かわいいよね』
わたしは好きだよ、と言えばきょーさんは嬉しそうに笑いながら頭をなでてくれた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1446人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くまくまちゃん(いろ)(プロフ) - おもろいです！夢主ちゃんが可愛すぎますっ！見た目年上でも中身絶対年下じゃん…(12歳) (2020年11月5日 23時) (
レス) id: 8a3f9ddf1c (このIDを非表示/違反報告)
闇ちょこ(プロフ) - だ！より、とりあえず、夢主ちゃんが、可愛い(°∀°) (2020年9月24日 5時) (レス) id: e0b0a3b941 (このIDを非表示/違反報告)
闇(プロフ) - 夢主ちゃんが可愛っかったです。(作文風)せーの、「はげー」すいませんした (2020年7月29日 5時) (レス) id: c58c36be65 (このIDを非表示/違反報告)
らりるれろん(プロフ) - 夢主ちゃんかわぁぁぁぁ！！悪戯好きなのかわいっ！みんなも夢主ちゃんと言おう！せーの、「はげー」(((ごめんなさい (2020年7月28日 23時) (レス) id: 2108271c54 (このIDを非表示/違反報告)
茉鈴(プロフ) - まって？この子好きなんですけど。可愛い顔して怖いこと言うさ？毒舌の子？が好きなんよー！！！ごめん独り言です。 (2020年7月26日 17時) (レス) id: 3c50c30f7a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
