最強さんとのんびり過ごす

行かないで mnd ページ7

※X(旧Twitter)でのマシュマロリクエスト作品になります。
※優しい先輩の続きです。

sellu先輩からブラックジャックを教えてもらい、暇になる度オールインしに行くこと半月。

『…10億円いった』

ATMの預け金額を見ると今まで見たことない桁が映されてて。適当にオールインしてヒットスタンドを繰り返してただけなのに勝ちばかりで自分が怖い。

でもこんなにお金があっても正直使い道は無い。バイクのカスタム位、かな…

『…10億近く、ねぇ』

10億と聞いて思いつくのは、ALL INを抜ける際に支払う金額だ。MonDが持ってても多分車の購入にしか使われな…

『…いいこと思いついた』

思い立ったが吉日。私は鼻歌を歌いながらカジノを出て、バイクを走らせアジトへと戻る。

ちょっと暇だし、Mondoにドッキリでもしちゃお。

『ボスーいますか？』
「何？」

アジトの中へ入ると丁度お薬をキメてふわふわしてるボスが居て。周りに人もなくて丁度良かったので、私はそのまま『今いいですか？』とボスの隣に歩いて向かった。

『ボス、これ受けとって下さい』
「…んー？何これ」
『10億です。10億』

ブラックジャックでオールインして得ました！と笑えば「え、すごいやんけ」と声が明るくなった。自分の事のように笑ってくれるの、優しいし何だか可愛い。

さて、そろそろ仕掛けようかな。

「どうしたのこれ」
『手切れ金です』
「は？」
『10億ですよね？オールインから抜ける際に払うお金って』

お薬が切れたのか表情がはっきりしてきたMonD。私はいつも通りを取り繕って言葉を続ける。

『お金出来たので、抜けようかなと』
「…何で」
『私には荷が重かったかなって。向いてないなって思って』
「何で」
『チヨ先輩にも怒られますし、ナリエル先輩の助けになれてないなって。大型も失敗多いですよね？』
「何で」
『何でって…自分の役割が出来てないからですよね』

だから、と辞める(勿論嘘)と告げようとした。したはずなのだ。

だけど気が付けば私はカチャ、と冷たい鉄が鳴る音の後に後ろ手で拘束されていて。

『え？』
「…やだ」
『ボス？』
「行っちゃヤダ」

私を護送するボス(Mondo)の声はとても寂しそうで。

「"…大事な話してるから誰もアジト来ないで"」
『え』

来たらコロス、と脅しをかけた無線に皆が恐怖を感じつつも了承したのは言うまでもない。

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