少女の成長物語 with 再生屋コンビ 7

234＊迷子 ページ4

私達はハニープリズンの中に入ると受付を通った

沢山の...本当にたっくさんの処刑獣さん達に出迎えられて...怖かったよぉ...

でも受付のチュパリーさんが一番怖かったのは確実！！

しばらく歩いて、囚人に執行する“死へのフルコース”を見学する

そこに流れる空気は重くておぞましいもの

私は終始、与作様の白衣の裾を握りしめていた

嫌だなぁ...早くここから出たい...

そういえば私達は何でここに来たんだろう？

今更ながら旅の目的を知らないことに気づく

与作様、誰か検挙したのかなぁ

だとしたら会長さんはいなくても良いよね？

じゃあ違うかぁ...

しばらく、う〜んと唸っていると

「...あれ？」

二人の姿が見当たらない...

あはは〜...待って冗談でしょ？

これって、もしかしてもしかしなくても...

「ま、迷子ぉぉぉぉおぉおおお！？！！」

そんなぁっ！！

やめてよ！こんな怖いとこで迷子なんて！！

「よ、与作様！どこですかぁ！？」

いくら呼んでも彼の声は聞こえないし、探してみても見当たらない

「...終わった」

膝から崩れ落ち、絶望に打ちひしがれる

うぅ...どうしよう...

私みたいな人間がこんなところで迷子になんてなったら命がいくつあっても足りないよぉ...

なす術なく、しばらくその場に座り込んでいると

スゥッと黒い陰に覆われた

きっと与作様が見つけてくれたんだ！！

そんな期待を胸に勢い良く振り返った

「与作さ「シュルルルゥ...」

...へ？

目の前にいたのは与作様ではなく

鎌首をもたげた、大きな大きな

「だい...じゃ？」

大蛇は真っ赤な舌をチロチロと出し入れすると、私を認識したのか目をくわっと見開いた

「シャァァアァアア！！！」

そして私めがけ、牙を剥き出してくる

私はとっさに逃げ出そうとしたけど腰が抜けて動けなかった

蛇ににらまれた蛙ってこんな気分なんだ

っていうか、これ本当に終わりなパターン...

大きな牙が迫ってくる

何か雫が滴り落ちてるから

あぁ...きっと毒なんだろうな...

なんて呑気に考えながらそれを見ていた

さようなら、与作様

私はあなたに出会えて幸せでした...

ついに死を覚悟したその時だった





『調子に乗んなよ、ヘビ公！！！』

235＊意地悪な声→←233＊ハゲとったんかーい！！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す