少女の成長物語 with 再生屋コンビ 7

250＊何を見ていたの？ ページ19

「誰だ、てめぇ...」

「え...誰って...私ですよ！ルナです！！」

必死に呼びかけるけど、私の声は彼に届いていない様子だった

「そうか...」

「ゼブラさん？...きゃあっ！？」

突然、私の体は地面に突き倒された

背中を強く打ったから、一瞬息ができなかった

「ケホッ...ゼ、ゼブラさ...なん、で..」

「てめぇが小娘を攫ったんだな！？」

「何言ってるんですか！？私がルナですって(ドガッ)きゃっ！？」

私の顔スレスレに拳が打ち付けられた

あまりにも強い衝撃だったので、私はとっさに手で頭を抱え込む

「調子に乗ってんじゃねぇ！殺されたくなかったらとっとと吐きな！小娘をどこへやった！？」

ダメだ...私の声が聞こえていない

このままじゃ本当に殺されちゃう

とりあえず逃げなきゃ！

「はっ...よっぽど死にてぇみたいだな！だったらお望み通りにしてやるよ！ボイスッ「ごめんなさい！」っ！？ぐぁあつ！？」

私はとっさに、ゼブラさんの顔に砂を投げつけた

砂は丁度ゼブラさんの目に入り、彼は私から飛び退いた

「あ、後で合流しますから！！」

私はそう言い残すと、必死に彼から遠ざかる

「てめぇ、待てコラァッ！」

彼の怒声は段々小さくなって

最後には何も聞こえなくなった







「はぁ..はぁ..はぁ..」

走って走って、これ以上ないってくらい走りきって

心臓が破裂しちゃわないかなって思えるほど

とにかく、呼吸を整えよう...

私は、側にある木に寄りかかると大きく深呼吸をして体を落ち着かせた

「ふぅー...さてと..」

状況を整理しよう

えっと

ゼブラさんが急におかしくなって私に襲いかかってきました

終わり


........


いやいやいや！ だから何でそうなった！？

全然整理できてないじゃん！！

...そういえばゼブラさん、最初私を見失ってたよね

まるで急に消えちゃったみたいに

その後私を認識できていたけど、それは“ルナ”じゃない

...幻覚でも見てた？

そうだとしたら私にも見えるはず

でも私は正常だった

ゼブラさんを“ゼブラさん”として認識できていた

うーん...一体何が...

頭を抱えて考え込んでいると、ヒュウッと何かが私の視界を横切った

「...？」

一瞬のことだったから、それが何だったのかはっきり見えてなかったけど

でもあれって...

「魚？」

ん？ 魚って半分人間の形してたっけ？

...え、人間？

251＊死神の正体→←249＊異変

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す