ツンデレ彼氏とワンコ系彼女【あほの坂田】

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いつもより騒がしい足音にあぁ今日はあの日か、となんとなく察する。


極度のポジティブ人間でもあるはるも、いつも元気なわけではない。
むしろ逆で、無理して元気であろうとしてる。

それが溜めに溜め込んで爆発する。2ヶ月〜3ヶ月にかけてそれはやってくる。



はるは帰ってから15分程泣き続けた。

ようやく涙が止まった頃には、はるの目元は真っ赤になっていた。

｢まだしんどい？｣

静かに頷くはる。いつもは泣いたら｢元気になった！ありがとう坂田さん好き！｣といつもの調子に戻るのだが、今回は重症らしい。

｢…今から外出れる？｣


帰ってからそのままの服装のはるは不思議そうにしながらも頷いた。





いつもはるが俺を元気付けてくれてるから、今日はお返ししよう。



＊



｢ほら、好きなの選んでええよ｣


コンビニのデザートコーナーでそう言うと、はるは目を輝かせ始めた。

うん、この作戦は成功だ。


もう坂田家に｢女心がわかってない｣なんて言わせへんぞ。


甘すぎないデザートを選んで俺の腕に掛かってるカゴに入れていくはるは、実はチョコ系のお菓子やデザートが苦手だったりする。好きなのはいちご系とかチーズ系とか。

｢これとかはる好きそうやん｣
｢好き！｣

どうやらいつもの調子に戻ってきたようだ。


コンビニスイーツを引くほど入れたはるは、俺が会計を済ませた頃にはすっかりいつも通りのはるに戻っていた。


｢坂田さんありがとう！好き！｣


繋いだ手をブンブン振っている。相当上機嫌なのだろう。

まぁ俺も今日は機嫌がいいし、はるもいつも頑張ってるから今日ぐらいは。




｢俺も好きやで、A｣




驚いたように目を見開いて耳まで赤くなっているはる。



その顔が意外と好きだってことは黙っておこう。




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