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「甘い物は好きだけど…」
「明日の夕方空いてますか!?」
「あ、空いてるけど…」
「じゃあここに来てください!!」


とあるお店の名前をなるべく綺麗に書いたメモを渡す。


「今日はほんとにありがとうございました!明日来てくださいね!」
「え、ちょっと…!」


呼び止められた気がしたが、わたしは階段を駆け下りた。

あのお店はわたしのバイト先。ケーキ屋でバイトしてるのだ。

そんなことより、頭がプチパニックを起こしている。



ほんとはもっとスマートな感じで渡したかったのに、めちゃめちゃテンパってあんな渡し方になってしまった。


あの人、来てくれるかなぁ…。




ちなみにその日は2限にしっかり遅刻した。









翌日の夕方、もうすぐシフトが終わるのにため息ばかり吐いてるわたしを心配して先輩が声をかけてくた。


「どうしたのAちゃん、元気ないじゃん」
「それがですね、」


昨日のことを話すと、先輩に「なにそれ通り魔じゃん」と言われてしまった。心外すぎる。

「来てくれないですよね〜!泣いた…」
「元気出しなよ、優しい人ならきっと、」


先輩の言葉の途中でドアベルが鳴った。この店は隠れ名店的な感じでなかなかにお客さんが来る。


「いらっしゃいま…あっ」
「よかった、いた」


あの人が安心したように笑ってそこに立っていた。

まさか本当に来てくれるなんて。先輩曰く「通り魔」みたいだったのに。


「うわ〜、美味そう!」

目を輝かしながらショーケースを見つめる彼はあまりにもかわいい。


「Aちゃん!後はいいから上がりな!」

全てを察してくれた先輩の言葉にありがたく甘えさせてもらって、ソッコーで着替える。


「わたしの奢りなので好きなの好きなだけ食べてください」
「え、奢りは悪いよ」
「お礼なので大丈夫です!」

少し悩んだ素振りを見せた彼だったが、昨日の様子からわたしが引かない性格なのを思い出したのか、大人しくチョコのケーキとモンブランを頼んだ。


店内には5席程イートインスペースがあるから、2人でそこに座る。
先輩はいい笑顔で親指を立てて奥に消えていった。


「うまっ、やば!」
「喜んで貰えてよかったです」


ケーキをぱくぱくと頬張る姿がかわいすぎて正直会話どころではない。
え、男の人ってこんなにかわいいもん??これが普通なの??



「そういえば名前なんていうの?俺は浦田渉」
「佐々木Aです」



彼を見つけて1ヶ月、やっと名前を知れた。

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滝野 - 好きです!更新頑張ってください!続きが楽しみです!! (2021年1月20日 0時) (レス) id: ef0e1184cd (このIDを非表示/違反報告)
もでらーと。(プロフ) - えっもう好きですごちそうさまでした; ;更新楽しみに待ってます…! (2019年9月25日 19時) (レス) id: 5d5b1bd419 (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣(プロフ) - こういう系の小説凄く好きなので読ませていただいてます!ほんとこたぬきになりそう(センラー)← (2019年9月25日 6時) (レス) id: c875e0b34a (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - え、まってかわいい尊い更新頑張って下さいですマジで!!!!! (2019年9月25日 0時) (レス) id: 58ea8aaecc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みかん | 作成日時:2019年7月8日 10時

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