こんぷれっくす【うらたぬき】

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あの後、どうやって帰ったかあまり覚えてない。衝撃的すぎて。



ちなみにあの日からうらたさんとは連絡を取ってない。LINEがきてるような気がするが、知らない。


だってうらたさんの名前調べたらわたしの知らないうらたさんばっかりでてきた。動画も見たけどあんなイケイケなうらたさん知らない。なんだっけあの曲、色…あぁ、Pinkだ。





｢へぇ、うける｣
｢うけないし｣



うける(真顔)と言ってきたのは、定期的に会ってるもも。今日は前にうらたさんと来た時に気に入ったカフェに連れてきた。

こいつは今日もかわいい。腹立つ。




｢で？どうすんの？｣
｢どうすんのって言われても…｣




わたしだってどうすればいいのかなんて分からない。

浦島坂田船は一応歌い手となってるが、アイドルのような感じらしい。

つまり、ファンの中にもうらたさんを恋愛対象として見てる人がいる。




わたしみたいなど平凡な女子大生が簡単に会っていいような人じゃない。




｢うらたさんは遠すぎる人だし、諦める｣
｢……あんたがそう言うなら別に止めないけどさ｣



後悔しない？とももの言葉が突き刺さる。





後悔しないはずがない。

電車で眺めるだけだったのに、やっとの思いで仲良くなれた。わたしのコンプレックスも受け入れてくれた。

簡単に諦められるはずがない。




でも、諦めなきゃなんだ。




わたしとうらたさんは違いすぎるから。









もう出ようか、とももが伝票を持とうとした時、わたし達の席に影が落ちた。








目線を上げるとそこにはうらたさんがいた。

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