【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅳ (ページ10)

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＃152 ページ10

「やめて、騎士カルマ！もう誰も傷つけないで！」
「いやいや姫～、この魔物を倒さないと、王国の平和は戻りませんって」

施設の中では、カエデ、カルマ、愛美ちゃん、寺坂の4人での劇が繰り広げられていた。

『わー楽しそう』
「こども受け良いな、茅野」
「空気の掴み方が分かってるし、体型も近い」
『あーあ、私も劇やりたかったなぁ…』

そう言いながら運んできた木材を地面に置く。

「まぁ逢坂は女子の中でも力仕事ができる部類だから仕方ねぇよ」
『これでも一応女子だからね？』
「ちょっと施設の中で休んでてもいいぞー？」

私が地面に座り込むと、前原がそう言う。
じゃあ、お言葉に甘えてちょっと一休みしようかな…

『…休むついでに、渚達の様子見てくるよ』
「おう、頼んだ」

施設の中では、渚や莉桜ちゃんがこども達に勉強を教えている。
私もちょっと手伝おう。

『渚、手伝おうか？』
「あ、A…」

おそらく1番の問題児であろう、さくらちゃんに勉強を教えていた
渚の元へ向かった。

一応小学生の、筆算のところらしいけど…

『勉強教えるのって案外難しいよね、
　しかも、小学生の勉強って今は当たり前にできることだしさ』

当たり前にできることを、改めてどうやるの？って聞かれると、ちょっと難しいよね。

「なーぎーさー！早く！私のこと東大に連れてってくれるんじゃなかったのー？」

さくらちゃんは机をバンバン叩いて催促する。
…この子もう小学生だよね…？
勉強の前に教えないといけないことありそうなんだけど…

『…まぁ、頑張りなよ、渚ならできるって』

私はさくらちゃんが苦手なタイプの子供だと判断して、
そそくさと施設の外に出た。

「あれ、もう休憩終わりか？」
『ん？うん。こども苦手だからさ、施設よりも外にいる方が楽だなって思って』

そんなこんなで、ちょっとした事件…
って言っても、子猫が木から降りれなくなっちゃった程度のことだけど。

色々やってたらあっという間に2週間。
いつの間にか子供達も私たちに打ち解けていた。

それはさくらちゃんも同じだったようで。

そして今日、園長先生が戻ってくる日だ。