＃150 ページ8
「さぁみなさん、2週間後は２学期ぼ中間テストですよ！
いよいよA組を超える時がきたのです、熱くいきましょう！熱く！熱く！」
暑苦しいよ。
それにしても、もうそんな時期かぁ。
1年とか、2年の時は学校自体楽しいと思ってなかったし、
テストまで長いなって思ってたけど…
今年はものすごく早く感じる。
それもこれも、殺せんせーのおかげかな。
でも…
『暗殺期限まであと5ヶ月かぁ…』
「結構迫ってきたよねー」
意外と、もう残りが少ないんだなと実感する時がある。
その日の放課後、私とカルマはみんなと別れて別の道で帰っていた。
『付き合ってくれてありがとね、カルマ』
「俺も暇だったし、いいよ」
カルマに、お母さんの誕生日プレゼントを選ぶのを手伝ってもらっていたから。
『…そういえば、今日岡島が「駅までの最短ルートを教えてやるよ！」って
はしゃいでたけど、大丈夫かな？』
「…なんで？」
『岡島のことだから、屋根の上とか飛び移ってんじゃないかなって思って。
みんなフリーランニングは好きだし、言われたらノっちゃいそうじゃない？』
私が、包装されたお母さんのプレゼントを丁寧に、崩れないように鞄に入れながら言うと
「…確かに」
と、カルマも同じように納得したらしい。
『ん、電話だ』
もうすっかりオレンジ色に染まった空の下を、カルマと二人で歩いていた頃
鞄から、バイブの音がして取り出してみると烏間先生からの着信があった。
『はい、逢坂です…烏間先生？』
「何なに？烏間先生？」
【赤羽もいるのか】
『はい、一緒に帰ってたので…』
【なら赤羽も一緒に聞いてくれ】
電話越しでの烏間先生は、申し訳なさそうに話し始めた。
『ほんっとバカだよねぇ』
私たちE組は「わかばパーク」と言う施設に来ていた。
「ぐうの音も出ません…」
私の呟きに横で子供の相手をしていた前原が言う。
『なーんで無関係な私達まで勉強禁止で子供の世話しないといけないの…』
「連帯責任ってことだよ、俺らももっちりとビンタされたでしょ」
カルマが頬を指差しながら言った。
『…こう言うの苦手なんだよね、私』
「へぇ、意外だな」
少し遠くにいた千葉が私の話を聞いていた。
「子供の世話とか好きなタイプだと思ってた」
『だって、子供って慈悲がないから。
なんでも正直に言えるし、残酷なこともしちゃうでしょ』
「あぁ、ちょっと腹が立つタイプか」
「いや…
羨ましい、かな』
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作者名：Suu | 作成日時：2020年5月5日 2時
