【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅳ (ページ7)

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＃149 ページ7

『E組が好きだからですよ。
　あそこは居心地が良くて、どんな私でも受け入れてくれる。
　それ以外に何か理由が要りますか？』

私は理事長の机に手をついてそう言った。
理事長は私を見つめ、笑顔を貼り付けたまま動かない。

『まぁ、私はA組には戻りませんので、それだけ理解していただければ』

私は、横で未だ座り込んでいた浅野を立ち上がらせ
腕を引いて扉へ向かう。

『では、また』

そう言って私は理事長室を後にした。

理事長室から出て、私は旧校舎に向かう道の直前で止まった。

『おーい、磯貝！』
「おっ、逢坂！」

体育倉庫の前にE組のみんながいた。
私は浅野の腕を離して、みんなの方へ駆け寄る。

「もー、どこ行ってたの？」
『ちょっと用事あってさ』
「Aは力仕事ができるから、いないとちょっとしんどいよね」
『あは、何それ私が男っぽいってこと？』

私が莉桜ちゃんや速水ちゃんの元へ行くと
カルマは私が本校舎に行くことを伝えていなかったようで、探していたらしかった。

「おい、浅野。
　違言はないだろうな？例の件は黙ってるって」

前原や、いつの間にか他のみんなも、浅野の前に集まっていた。
向こうも向こうで、あ私たちが話しているうちに五英傑の奴らと合流したようだ。

「…僕は嘘をつかない。
　君たちと違って姑息な手段はとらないからな」

さっきまでのが嘘みたいにいつもの浅野に戻ってんじゃん。

「でも、次はこうは行かない。
　全員、破滅に追い込んでやる…」

そう言って、五英傑と校舎に戻って行った。

「はっ、負け惜しみかよ」
「いーよいーよ。負け犬の遠吠えなんて聞こえないもーん」

みんな浅野の言葉になんかしら言ってるけど、
磯貝だけは、黙ってずっと浅野の方を見ていた。

そんな磯貝に前原が

「気にすんなよ、お前の苦労なんてあいつにはわかんねーんだから」

いやぁ…意外と苦労してんだってあいつも。
と心の中で思いながら、話を聞いていた。

「いや…俺なんてさ、あいつに比べたら苦労人でもなんでもないよ。
　みんなに助けてもらった今日なんかさ、貧乏でよかったって思っちゃったよ」

そう言って磯貝は苦笑いを浮かべた。

『貧乏なことが気にならないくらい良いやつだよ、磯貝は』
「そうだね、俺もそう思う。…たまに残念な時もあるけどね」

いつの間にか横にきていたカルマに、私はそう言った。