【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅳ (ページ48)

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＃189 ページ48

「弱者は、暗殺でしか強者を殺せないが
　強者は好きな時に好きなように弱者を殺せる。
　この真偽を教える仕組みを、全国にばら撒く。
　防衛省から得た金と、あなたを殺した賞金があれば
　全国に我が系列校を作れるでしょう」

なんで、そこまでして教育にこだわるんだよ。
もっと違うところでもその力の使い道あっただろ。

殺せんせーは、溶けた触手で次の問題集に手をかける。

「さ、殺せんせー。
　私の教育の石杖となってください」

殺せんせーのダメージは、まだ回復していない。
このまま次の攻撃となると…

「A、こっちこっち」
『…カルマ？』

私とは別の場所で見ていたカルマが、私に手招きをした。

『何？どうしたの？』
「いや、なんか縮こまってたから」

ちぢ…こまってたか？

「怖くなったら俺の腕掴んでていいよ」
『…別に怖くないけど…』

私はそう言いながら、カルマのカーディガンを掴んだ。

殺せんせーが問題集を開き、私は次の爆発が来ると思って目を瞑った。

「はい、開いて解いて閉じました」

しかし聞こえてきたのは爆発音ではなく、殺せんせーの声だった。
開いて解いて、閉じた…

「大丈夫だったみたいだよ」
『…本当だ』

「この問題集シリーズ、ほぼほぼどのページにどの問題があるか覚えています。
　数学だけ難関でした。
　生徒に長く貸していたので忘れてまして」
『そういえば…』

私や矢田ちゃん、最近よく貸してもらってた…
他の人も、たまに借りてるとこ見てたし…

「私がもってきた問題集なのに、たまたま覚えていたと？」

「まさか。日本中…全ての問題集を覚えましたよ。
　問題が解けるまで爆弾の前から動けない…
　そんなルール、情熱がある教師ならばクリアできます。
　あなたなら私をわかってくれていると思っていましたが…
　教子の敗北で、心を乱したようです」

そう言いながら、殺せんせーは問題集を開いては解いて、閉じる。
開いては解いて閉じる、を繰り返した。

「安易な暗殺で、あなたは自分自身の首をしめた。
　残り一冊…あなたの番です。
　どうですか？目の前に自分の死がある気分は…
　死の直前に見る走馬灯…その完璧な脳裏に、何が写っているのでしょうか」