＃187 ページ46
「監視システムや、脱出防止システムなど
刑務所を参考により洗練された牢獄のような環境で勉強できる。
新しいE組…私の教育理論の完成形です」
刑務所…牢獄…
この人は、どれだけの生徒の未来を奪おうとしているのだろう。
そんなところで勉強してたら気がおかしくなっちゃう。
「い、今更移れって…」
「いやだよ！この校舎で卒業してぇ！」
『E組に負けたのどんだけ根にもってんだよ…』
私たちの騒ぎを見て、殺せんせーが理事長の前に現れる。
「どこまでも己の教育を貫くつもりですねぇ」
「あぁ、勘違いなさらずに。
私の教育に、あなたはもう用済みだ。
今ここで、私があなたを…殺します」
そう言って、理事長が取り出したのは
解雇通知書…
「こ、殺せんせーの解雇通知！？」
「とうとう…禁断の伝家の宝刀抜きやがった…！」
そんでこれが…
まぁ効くんだよね…殺せんせーには…
「あくまで私は、殺せんせー…あなたを暗殺しにきたのです。
私の教育に、不要とみなしたのでね」
あくまで解雇通知書は相手を操るための道具…
「取り壊しは一時中断してください。
中で仕事をしてきます」
理事長はそう言うと、私たちの教室に入ってきた。
私たちは逆に外に出され、窓から様子を見る。
中の教室はよくわからない机の配置に、
何かを挟んだ教科書が置かれてた。
『…これ、どうなるんだろう』
「どういうことだよ？」
『理事長は本当に強い…殺せんせーとほぼ互角なんだよ。
その上、武道も習ってた。
速いだけの殺せんせーとは、違う…』
ここまで先の展開が読めない…
勝敗がわからない戦いは初めて。
「もしもクビがいやならば、
もしもこの教室を守りたいのなら…
私とギャンブルをしてもらいます」
ギャンブル…？
「5教科の問題集と、5つの手榴弾を用意しました。
内4つは対先生用手榴弾。
残り一つは、対人用…本物の手榴弾です」
は…？
「どれも見た目や匂いではわからず、
ピンを抜いてレバーが起きた瞬間、爆発するよう作らせました」
そう言って、一つの手榴弾のピンを抜く理事長。
「ピンを抜き、問題集の適当なページにレバーを起こさないように慎重に挟み
これを開き、ページ右上の問題を一問解いてください」
何そのぐちゃぐちゃなルール…
「そ、そんなの開いたらすぐに…！」
「そう。ほぼ確実に爆発を喰らう。
ですが、解けるまでは一切動いてはいけません」
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作者名：Suu | 作成日時：2020年5月5日 2時
