【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅳ (ページ33)

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＃174 ページ33

「いらっしゃいませー！」

学園祭当日、私たちのクラスは山の自然な食材を活かした
「どんぐり食堂」と言う飲食店を営んでいた。

『いらっしゃいませ～って…』

修学旅行以来、そのメンバーで動くことが多くなった私たちは
今日も、そのメンバーで店番をしていた。

「あー！修学旅行の時の高校生！」

私が指差すと同時にみんなもその存在に気づいたらしく
ちょっと警戒していた。

なんでまたこんなところに…って言うか

『お兄さんたちめっちゃ疲れてんじゃん～
　普段から運動してないんでしょ？山道苦労したんじゃないの～？』

と、机に手をついて偉そうにこっちをみていた高校生に
私も同じような体制で笑って言った。

『お兄さんたち、見た目のわりにそこまで強くなかったし？
　普段から運動はしといた方がいいよ～？』

クスクス、と笑うような仕草をした私に
苛立ちを覚えていたものの、襲いかかってはこなかった。

なんだ、修学旅行の時は、煽ったらすぐに殴りかかって来てたのに。
ちょっとは成長してんのかな。

「何しに来たんだよ！」
「あれれー？また女子でも拉致るつもりー？」

杉野とカルマが、女子をを庇うように前に立つ。
私もカルマに引っ張られて後ろへ下げられる。

「…もうやってねーよ。
　化物センコーに出てこられちゃたまんねぇしな…」

あ、やってないんだ。

『その割には悪人面で…』
「もうやめときなって…」

私が思わず口に出しそうになった時、渚に口を押さえられた。

「だが、たとえ力を使わなくたって台座しにできる…」

そう言って箸入れから割り箸を一本取った高校生は

「例えば、ここの飯がクソまずいって叫び散らしたり、
　ちょいとネットで広めたりな…おら、早く出せよ」

そう言って割り箸を割った。

結局悪いことしに来たんじゃん…
せっかく更生したのかなって思ったのに。

「か、看板メニューの、どんぐりつけ麺です…」

愛美ちゃんと私で、人数分の食事を机まで持っていく。

『さ、どうぞ召し上がれー』

そいつは私のことを無視してつけ麺を食べ始めた。
そして…

「う、うめぇ…！」

と、涙を流した。

『うちの料理が美味しくないわけないじゃん？
　どう？泣くほど美味しかったのに酷評流すのー？』

高校生たちは、あのリーダー格の奴ら以外料理を気に入ってくれたみたいだ。
他のも他のも、ってメニューを見ている。

「お前らまずいって言え！まずいって！！」