【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅳ (ページ29)

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＃170 ページ29

「殺せんせーは任せとけって言うんだけど…」

なんか不安になるな、殺せんせーが三者面談って…

「担任役、私がやろうか？」

話を聞いていたビッチ先生がそう提案してくれたが、

「だめよ。うちらの名目上の担任は烏間先生。
　親同士で話が合わなくなっちゃう」
「そっか…」

すぐに却下された。
まぁそりゃそうだろうな。

烏間先生が出張だから代わりに、って言ってもまた後日来るだろうし。

「むしろ簡単さ…私が烏間惟臣になりすませばいいだけのこと」

教室の外から、いつもよりも少し低い殺せんせーの声が聞こえた。

『殺せんせー？』

「おう、ワイや！ワイが烏間や！」

そう言って扉を開けた入ってきたのは、スーツでなんかカツラ被った殺せんせーだった。

「再現度ひっく！！！！」
「何よその眉間の落書き！！」
『もうなんか色々ひどい…』

みんなが殺せんせーにツッコミを入れる中、渚だけはずっと俯いていた。

『…渚、あれだったら玄関まで私も一緒に行こうか？』
「え？あ…うん。
　母さんもAに会ったらちょっとは落ち着いてくれるかもだし…お願いしてもいい？」
『もちろん、渚のためだしね』

殺せんせーがちゃんとヒロミさんを説得してくれるといいんだけど…

「…母さん」
『お久しぶりですヒロミさん』

校舎の玄関で渚と横並びで歩いてくるヒロミさんを迎えた。

「あら、Aちゃん。久しぶり、元気にしてた？」
『はい、ヒロミさんもわざわざこんな山奥までご苦労様です』

私は渚とヒロミさんを職員室の前まで送り、
みんながいるところ…職員室の窓の方まで行った。

『あー…あの人の威圧感ほんと無理…』
「お疲れー」
『で、どんな感じ？』

窓を少し覗くとやはりヒロミさんの目は曇っていた。

『あらら…殺せんせー地雷踏んだな』
「ん？どう言うことだ？」
『ほら、渚って髪長いでしょ？あれ、全部ヒロミさんの理想に育て上げるためなの』

私がそう言いながら職員室の方を指差すと
ヒロミさんは渚の髪を勝手にほどいていた。

『ん…？』

殺せんせーが徐にカツラをとった。

『あらら、ありゃもうだめだ』

私はそう言って耳を塞いだ。
次の瞬間、職員室から外にも聞こえる大きさでヒロミさんが叫び散らした。

「お、おっかねー…」
「めっちゃキレてんじゃん、渚の母ちゃん」

そしてヒロミさんはブチギレのまま学校を出て行った。