【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅳ (ページ24)

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＃165 ページ24

「…ふ、無謀ね。
　確かに烏間も人間離れしてるけど、彼はそれ以上。
　そこのタコですら簡単に捕まえたのよ？」

ビッチ先生…

『ビッチ先生は、本当に自分の意思で、そっちに戻ったの…？』

私はボソッとつぶやいた。
その声は誰にも聞こえることなく、ビッチ先生は銃を構えて去っていく。

烏間先生を殺す気、なのかな。

ビッチ先生も烏間先生もいなくなった後、
上からずっと何かが崩れる、大きい音が響いていた。

『…大丈夫かな、烏間先生…ビッチ先生も』

殺せんせーのトランシーバーさえ繋がれば、
安否の確認くらいはできるんだけど…

「烏間先生、烏間先生！大丈夫ですか！」
【なんだ？】

殺せんせーのトランシーバーから、烏間先生の声が聞こえた。

「やっと繋がった。先ほどの爆発音は…」
【俺は大丈夫だが、イリーナは瓦礫の下敷きだ】

烏間先生があんまりにもさらっというものだから
一瞬聞き逃しそうになった。

【だが、かまっている暇はない。死神を追う】
「『だめ！！』」

私と陽菜乃ちゃんが同時に言う。

「どうして助けないの、烏間先生！」
『死神はいいから、とにかくビッチ先生を助けてあげて！』
【倉橋…逢坂。
　イリーナは、彼女なりに結果を求めて死神と組んだ。
　一人前のプロなら、自己責任だ】
「プロだとかどうでもいいよ！
　15の私がなんだけど…ビッチ先生まだ21だよ！？
　多分、安心のない環境で育ったから…
　ビッチ先生はさ、きっと大人になる途中に、大人のかけらをいくつか拾い忘れたんだよ」

陽菜乃ちゃん…

「だから助けてあげて、烏間先生。
　私たち生徒が間違えた時も、許してくれるように…」
『私からもお願い、烏間先生。
　殺せんせーを殺すためには一人減っただけで確率が下がるでしょ。
　ビッチ先生も、私たちの大事な仲間なんだよ…だから、お願い』

私が言い終わるのと同時に、烏間先生との通信は切れた。

その後は…イトナによって首の起爆装置が外され
私たちは壁にへばりついて同化していた。

「保護色になって壁と同化。光の具合もバッチリだ」
『ごめん、重くない？』
「大丈夫～」
「まじで使えるよな、この超体育着の暗殺迷彩」

なんて呑気に会話してたら、どこからか水の音がした。
大きい音だったし、結構な高さから落ちたんじゃ…

『烏間先生、ビッチ先生のこと助けてくれたのかな』