【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅳ (ページ23)

今日:6 hit、昨日:20 hit、合計:10,167 hit

＃164 ページ23

「ヌルフフフ…初めて見せますよ。
　私のとっておきの、体内気管を！」

おお、なんか強そう…
と思えば、ただひたすらに檻を舐め始めた。

『…え、変態？』
「しょうかえきでコーティングしてつくったしたです。
　このおりだとはんにちもあればとかせます」

ずっとペロペロしてるせいでひらがなになってんじゃん。
聞き取りにくいよ。

後おっそいわ。

「あのさぁ、そのぺろぺろ続けたら
　全員の首を飛ばしていくよ」

奥の通路らしきところから、死神とビッチ先生…
そして、烏間先生も一緒に出てきた。

「さて、急ぐか…」

そう言いながら降りてきた死神は、ころせんせーを捕まえることができて満足そうだ。

「今からここに水を流す。
　ここは放水路だ。上から指示を出せば、放出される毎秒200ｔの水圧と檻で
　君はトコロテン状にバラバラになる…」

ちょっと待って私たち腕縛られてるし身動き取れないんですけど。

「ちょっと待て！生徒ごと殺す気か！」
「当たり前さ。今更待てない」

まじかこいつ。
頭おかしいんじゃねーの。

どうにかしてこの縄を外せればいいんだけど…

「イリーナ！お前これを知った上で…」
「…プロとして、結果優先で動いただけよ。
　あんたの望む通りでしょ…」

ビッチ先生…さっきまでの威圧感がなっくなった、ような気がする。

「確かに多少手荒だが、地球を救う最大のチャンスをみすみす逃せと言うのかな？」

多分、もともと私たちも殺すつもりで動いてた…んだと思う。

『烏間先生…』

政府の人間として動くのか、一人の教師として動くのか、
きっとそれだけの違いで私たちが生きるか死ぬかは決まる。

烏間先生は、どっちを選ぶの？

死神が奥に向かって歩き出した。

「政府からの見解を伝える」

烏間先生はそう言って死神に近づき、勢いよく顔面を殴った。

「27人の命は、地球より重い」

烏間先生は、そう言って戦闘態勢をとった。

「それでも俺でもお前が、彼らごと殺す気ならば…俺が止める」

「烏間先生…！」
「か、かっこいい…！」

こう言うところができる男との違いだよ、殺せんせー…
まぁ、今の殺せんせーが好きだから、ああはなって欲しくないけど。

「言っておくが、イリーナ。
　プロっていうのは、そんな気楽なものじゃないぞ」
「…」

死神は、咄嗟に逃げ出した。
それを烏間先生も追いかけていく。

「烏間先生！トランシーバーをオンに！」

烏間先生が見えなくなる直前、そう言った。