【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅳ (ページ18)

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＃159 ページ18

「…使うか」

寺坂がそう言って出してきたのは、つい先日支給されたE組だけの体操服。

「守るために使う、だね」
「最高の殺し屋だかしらねぇけどよ、そう簡単に計画通りにさせるかよ」

『待って、でも…死神は、殺し屋の中でも最上位にいる。
　そんな簡単に、特殊な訓練受けただけの私たちで、そんなこと…』

私が後ろの方で弱々しく言うと、みんなが一斉に振り向く。

「逢坂にしては珍しく弱気だな…」
「って言うか、なんでお前死神のこと知ってんだ」

磯貝と寺坂に言われて、私は俯く。

『ごめん、そのことについては…聞かないで欲しい。
　ただ、死神が危険なのには変わりない。
　でも、ビッチ先生を助けたい…』

みんなはもう決心ついてるのに、私だけが、まだ…

『ごめんね、弱気で…みんなはもう覚悟できてるのに』
「まぁ、思うことはそれぞれあるだろうが。
　お前がそこまで弱気になるってことは、本気でヤベェやつなんだって思うしよ」
『…ほんとだったら、行かないで欲しい…
　もしかしたら怪我するかもだし、最悪の場合、死ぬ…
　それだけ危険なんだよ、死神って言う殺し屋は』

私は近くにいたかるまの袖を掴んで、そう言った。

「…私たちは一人じゃないんだからさ、困ったときは助け合うんだよ。
　だから、Aがもし不安で押しつぶされそうになってるなら、私たちにも分けて？」
「一緒に戦えば、きっと大丈夫だよ」

みんながそう言ってくれたおかげで、
少し不安があった私の心は、少し和らいだ気がした。

『…うん。わかった、行こう…
　この戦いが終われば、ちゃんと全部、話すから…』

私はカルマの袖から手を離し、両手を握りしめた。

大丈夫…
みんながいるから、きっと大丈夫。

戦える。