【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅳ (ページ15)

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＃157 ページ15

「プレゼントなんて選び放題の時代、
　なのになんでいまだに花が第一線で通用するか、わかる？」

そう言われてみれば、確かに。
プレゼントなんて小さいものから大きいものまで選び放題なのに、
プレゼントと小さい花束、とかでセットにされることが多いような…

「心だけじゃないんだ。色や形、香り
　そして儚さが、人間の本能にぴったりとはまるからなんだ」

花屋さんの手には大きいバラの花束が握られていた。

…なんか、笑顔が胡散臭い人だな。
いい人なのは、なんとなくわかるんだけど…
どことなく、顔は笑ってるけど、目は笑ってないような。

なんか、怪しい気がする。

「わぁ、説得力ありますね！」
「確かに、名演説。電卓さえ持ってなければねぇ」

カルマのいう通り、私たちから見えにくい方の手には
電卓が握られていた。

「あはは、一応商売なんで…
　で、どうする？これもお花の縁だ、安くしとくよ」

お花の縁、か…

「イリーナに誕生日の花束を？
　なんで俺なんだ、君たちが渡した方が喜ぶだろう」

うわ、全然気付いてないんだな、この人。

「烏間先生、あのビッチが必要な戦力だと思うならさ
　同僚の人心掌握も大事な仕事なんじゃないの？
　あ、俺らが花束用意したの、内緒ね？」
「…一理あるな。わかった、俺が渡そう
　気遣い、感謝する」

そう言って渚から花束を受け取った烏間先生。
…あの花屋さんからっていうのがちょっと納得いかないけど。

みんなは職員室の中を近くの窓からのぞいて、様子を見るらしい。
私は、乗り気じゃなかったから少し遠くの木に登って様子を見ていた。

『ここなら職員室の中も見えるし、ちょうどいいかも』

私がいいポジションを見つけて落ち着いてきた時
ビッチ先生がみんながいる方の窓を思い切り開いた。

あらら、バレたかなー

ビッチ先生はそのままバラを烏間先生に返して、校舎から出て行った。
怒ってんな。

「もう3日か…」
「余計なことしちゃったのかな…」

あの日以来、ビッチ先生は学校に来なくなった。

『みんな心配してるけど、正直私らがあんな計画立てたせいだよねー』
「A…わかってるよ、反省してる」
『…』

私は机の上にお菓子を広げてゲームをしながら話した。
だから私は反対してたのに。

「イリーナ先生に何か動きがあったら呼んでください。
　先生は今からブラジルまでサッカー観戦をしにいかねばなりませんので！」

そう言って殺せんせーは窓から出て行った。