【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅳ (ページ14)

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＃156 ページ14

『はーーーーーーぁ…』
「ず、随分と長いため息だね、A」

私は修学旅行の時のメンバーで街に出ていた。

【こちら、二人の引き離し成功！
　バースデープレゼント買い出し班の検討に期待する！】

電話越しに聞こえてきた声は前原で、バースデープレゼント、と言うのは…
ビッチ先生にプレゼントする用のものだ。

だが、それは私たちからではなく、烏間先生から渡してもらうための。

普通に誕生日のプレゼント買いに行くだけらな私だってもっと楽しかったよ…
でも、烏間先生に渡してもらうためのプレゼントなんて…

「意外とこう言うの好きかと思ってたんだけど、意外ね」

有希子ちゃんが、私のため息を聞いてそう言った。

『あのねぇ…誕生日プレゼントっていうのは、
　「これ買ったから、渡してあげて」じゃダメなんだよ。
　それじゃ、本人たちの意思関係ないじゃん。渡されても嬉しくないと思うよ。
　ちゃんと自分で選んで、自分で計画立てて渡してあげたほうがいいの』

前に南の島でも同じことを言ったはずなんだけど…

『それに、なんでそこまで必死になってビッチ先生と烏間先生をくっつけようとするの？
　ビッチ先生はまだしも、烏間先生が好意を持っているかもわからないのにさぁ…
　もし両片思いだったとしても、静かに見守ってあげたほうが、本人たちのためになると思うよ？』

しかもクラスから預かってるお金は五千円ちょっt。

「これで大人の女性にふさわしいプレゼントかぁ」
「ねぇ、君たち」

私たちが話してると後ろから見知らぬ男性から話しかけられた。

「あの後、大丈夫だったのかい？」

あの後…？

「ほら、おじいさんの足の怪我」
「あ、救急車呼んでくれた花屋さん…！」
『あ、そうなの？』

私やカルマ達はあの場にいなかったから知らなかったや。

『うちのクラスの奴らがご迷惑おかけしました…』
「あはは、いいよ」
「あの時はありがとうございました。なんとか、許してもらえて」
「そっか、大ごとにならなくてよかったね」

優しい声で話す男の人は、花屋さんらしい。
確かに、後ろの車に積まれた大量の花を見れば、納得できる。

「それと今、プレゼントとか、大人にふさわしいとか…」
「あ、はい」
「なら、こんなのはどう？」

そう言って花屋さんが取り出したのは一本の赤いバラ。

「なるほど、花束ね！」