＃155 ページ13
「ご迷惑をかけてすみませんでした、烏間先生」
後日、改めて烏間先生に謝りに行った。
正直迷惑かけてんのは一部の生徒だけなんだけど…
まぁ、連帯責任って事で。
止めなかった私たちも悪いしね。
「これも仕事だ。気にしなくていい。
君たちはどうだ？今回のことから、何か学べたか？」
烏間先生は怒るでもなく、いつも通りパソコンのキーボードを打っていた。
「自分のお金や、成績のためじゃない。
身につけた力は、他人のためにも使えるんだって、思い出しました」
渚が、みんな思っていたであろうことを、代表して口に出す。
「殺す力を身につければ、地球を救える。
学力を身につければ、誰かを助けられる」
「もう下手な使い方しないっす」
「気をつけるよ、色々」
そう言った私たちを見て、微笑む烏間先生の姿は、
私には防衛省の人じゃなく、一人の教師に見えた。
烏間先生もなんか、先生っぽくなってきたような…
烏間先生に謝りに行った後、私たちはある支給品を身につけて崖に来ていた。
ジュー、と何かを焼く音が聞こえ、作戦通りに莉桜ちゃんが崖から飛び降りる。
がしゃん、と言う音と同時にころせんせーの悲痛な叫び声が聞こえてきた。
「なんてところから落ちてくるんですか！」
「すっげー、あの高さから落ちても痛くない！」
殺せんせーが動揺しているうちに、木の上に身を潜めてた
速水ちゃんと千葉のスナイパーコンビが一斉に射撃。
その間に私たちも崖から降りて、先生の元へ行く。
「な、なんですか一体…息つく暇もない」
「殺せんせーに見てもらいたかったんです」
そう言った私たちが来ていたのは、いつもの体操服ではなかった。
「国から支給された、新しい装備だ。
手の内を晒すのはやめておけと言ったんだがな。
彼らがお前に見せたかったそうだ、新しい力の使い方を」
そう言って、どこからか烏間先生が歩いて出てくる。
日頃の訓練でボロボロだった体操服が新調された。
暗殺に適した、完璧な装備として。
「教えの答えは暗殺で返す。それがここの流儀だからな」
「約束するよ、殺せんせー。
私たちのこの力は、誰かを守る目的以外で使わないって」
『これが私たちの答えだよ。何点かな、殺せんせー』
私たちの答えを殺せんせーに示した。
すると殺せんせーの顔が朱色に染まり、赤色の丸が浮かび上がる。
「満点の答えです」
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作者名：Suu | 作成日時：2020年5月5日 2時
