＃154 ページ12
「だ、だったら…これからも、たまには教えろよな」
「もちろん！」
さくらちゃんは照れ臭そうにそう言った。
あーらら、渚って本当に天然タラシ…
「怖い男だー…」
「本人も無自覚でやっているのが恐ろしい…」
『渚は昔からあんな感じだよ…』
私も何回はめられそうになった事か。
「クソガキども…文句の一つも出てこんわ」
園長先生はそう言ってえ、笑った。
よかった、認めてもらえたみたいだ。
『勝手に改造して怒られると思ってたよ』
「はは、まぁ園長先生はこども達優先っぽいし、こども達が楽しいならそれでいいんじゃない？」
さくらちゃんのもとに行った園長先生はさくらちゃんの頭を撫でて
「お前らもさっさと学校に戻らんか。
大事な仕事が、あるんだろ？」
と、言った。
私たちは元気に返事をして、2週間のわかばパークでの仕事を終えた。
2週間の特別授業…それが終わったのは中間テスト前日だった。
結果は散々。
E組のほとんどは大幅に順位が下がり、トップ圏内から外れた。
私とカルマは早めに山を降りて、ジュースを買って帰ろうとしていた。
『カルマ、あれ』
「んー？」
私がジュースを買おうとしてたとき、E組の山を降りてきてすぐのところに
岡島と渚、杉野がいるのが見えた。
『おーい、なぎ…』
私が声をかけて駆け寄ろうとしたとき、
「拍子抜けだったな？」
最悪だ…五英傑がそろって出てきた。
「やっぱり前回のはまぐれだったようだね？」
「棒倒しで潰すまでもなかったな！」
あいつら確か…
小山、総合7位
荒木、総合5位
榊原、総合4位
瀬尾、総合6位
浅野、総合1位
はぁ、なるほどね。
『もしかして、考えてる事同じだったりする？』
「するね〜」
私とカルマは後ろから静かに近づいた。
「この学校では成績が全て。
下の者は上の者に対して発言権はないからね」
「へぇー、じゃああんたらは俺らに対して何も言えないわけね？
まぁうちの担任は、1位じゃないからダメですねぇとか抜かすんだろうけど」
『私たち今回手を抜いてあげたんだから感謝しなよ』
「お前らも毎回負けてちゃ、立場がないだろうからってね」
まぁ、正直2週間のハンデがあってもなお私がこんだけの点数取れてんのは
夏休みに浅野が勉強教えにきてたからなんだけど…
「でも、次はみんなも容赦しない」
『全力で潰しにかかるから。行こう、みんな』
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作者名：Suu | 作成日時：2020年5月5日 2時
