【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅲ (ページ9)

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＃102 ページ9

『ごめんね渚、1人にして』
「う、ううん。大丈夫……。
　あ、じゃあぼ…私、行くね」

渚は男子に挨拶だけ済ませて、私の方へ寄ってきた。

「お、おい…もうかよ…」
「またね」

渚は手を振ってメグたちがいたところに戻る。

『男子だってバレなかった？』
「うん…不本意だけど…怪しまれもしなかったよ」

やっぱ渚は女の子っぽい体型してるし、この暗闇だとバレないだろうね。

「1人にしないでよ…」
「ごめんごめん。作戦決まったからさ」

メグたちのところに戻って、後ろをふと見ると、
さっきまで渚といた男子がこっちに走ってきた。

『うげ…あいつしつこい…』

「お、おい待てって…！
　大サービス、俺の十八番のダンス見せてやるよ！」

男子は急にその場で踊りはじめた。
女子はもちろん、渚も若干引いてる。

『カッコつけてるつもりなら悪いんだけど…
　そんなにカッコよくないし、しつこいよ、あんた』

私の話も聞かずにずっと踊り続ける男子。
すると後ろからあるてきた男の人にぶつかって、持っていた飲み物をこぼしてしまった。

「こらガキ…いい度胸だな」
『自業自得…』

私はそう言ったが、男子には聞こえていないようだ。

男子に絡んでる男の人と、それにずっと怯えてる男子…
だっさ…

「すみません、ヤクザさん」

ひなたちゃんが2人の近くまで言って、ヤクザの顔面に思いっきり蹴りを入れる。

倒れ込んだヤクザを2人で運んで、あたかも急に倒れたように演出する。

「すみませーん、店の人。
　あの人、急に倒れちゃったみたいでー。運び出してみてあげてよ」

その隙に桃花ちゃんが監視員を呼んでヤクザを任せる。
さて、これで裏口の扉には誰もいなくなった。

渚が座り込んでいる男子に話しかけに行ったのをみて、私もその近くに行った。

「次また会えたら、またカッコつけてよ。
　できれば、ダンスとドラッグ以外がいいな」
『渚、はやく行かないと監視員戻ってきちゃう』
「あ、うん…！」
『あんたも、そんなとこで腰抜かしてないではやくフロア戻りなよ』

去り際、顔を赤くした男子に振り向いて、舌をベッと出して私と渚は男子たちに合流した。