【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅲ (ページ6)

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＃99 ページ6

私たちはおじさんぬとの勝負を終えて、次のフロアに移動していた。

階段を登る音だけが響く中、カエデのスマホから律の声がした。

「皆さん、この先がテラスです」
「バーフロア…問題の階ね」

速水ちゃんが言った通り、この先のバーフロア…裏口の鍵がかかっているため、
フロア内を通って裏口の鍵を開けなければならない。

烏間先生を支えている磯貝はフロア内で怪しまれる対象になるし、
磯貝と先生以外の全員で乗り込むのも、団体すぎで目立ってしまう。

怪しまれずに潜入して鍵を開けるには…

『女子だけで行ってきますよ、烏間先生。
　その方が、変に怪しまれる心配もなさそうだし』
「先生たちはここで隠れてて。
　私たちが店に潜入して中から裏口を開けるから」

私とメグは烏間先生たちにそう言った。
やっぱり女子はみんな同じ考えのようだった。

「いや、女子だけでは危険だ…」
「あー、だったら…」

カルマがそう言って渚を見つめる。
なんか、予想ついたわ…

『う…この店のBGMうるさすぎない…？』

私たちは女子だけでバーフロアに潜入し始めていた。
…女子だけで、ね

「ほら、男でしょ。ちゃんと前に立って守らないと、渚くん」

不破ちゃんに背中を押され、前に出てきたのは渚(女装バージョン)。
男子を連れていくにも、うちのクラスの男子は、結構ガタイいいやつが多いし、
渚を女装させて連れていくのが最善の策だという考えに至った。

似合ってるのがなんか腹立つ…

私たちはフロア内を進んで、裏口まで進む。

「Aってこういうとこ慣れてるの？」

不破ちゃんが急に聞いてきて、私はびっくりした。

『…いや、初めてだけど…』
「なんか歩き方が堂々としてて、ほらAってお嬢様だし！」
『別にお嬢様じゃないし、こういうところでヘナヘナしてる方が不自然でしょー？』

私たちがそんな会話をしてると、後ろから変な男子が近づいてきていた。
その男子は渚を呼び止めて…

「ね、ねぇ。どっからきたの君ら～
　そっちで飲まねぇ？俺金あるから、なんでも奢ってやんよ？」

うわ…気持ちわる。
『苦手なタイプだー…』

私は思っていたことをつい口に出してしまい、咄嗟に口を押さえた。

「はい渚。相手しといて！」
「えぇ…片岡さん！」
「怪しまれないように振る舞わないと！何かあったら呼ぶからさ」

そう言ってメグは渚を男子に手渡した。

渚…なんかごめん…作戦のためだから許して。