【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅲ (ページ48)

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＃141 ページ48

『あっ、これ美味しい…』

とある放課後。
前原、渚、カエデ、メグ、岡島、そして私。
と言った謎のメンバーで学校から少し遠くにある喫茶店に来ていた。

まぁ、ただの客としてじゃないんだけど…
潜入捜査、的な？

「うん、イケメンだ」

横を通って行った人物の後ろ姿を見ながらカエデはそう言った。

カランカラン、と音がして

「いらっしゃいませー。
　あ、いつもありがとうございます。原田さん、伊藤さん」

振り向いて見えたのは見慣れた顔。

そう、この喫茶店は我らがクラス委員長の磯貝がバイトをしている喫茶店。

椚ヶ丘はバイト禁止なんだけど、磯貝は正直しょうがないと思う…家、貧乏らしいし。
そういえば、E組に落とされたのもバイトがばれたからなんだっけ。

またバレないといいんだけど。
次こそ停学…ひどいと退学まであり得ちゃうからなぁ。

「実にイケメンだ、うちのリーダーは」
「殺してぇ…」

自慢かのように言う磯貝の幼馴染、前原と
羨ましがっている岡島。

『まぁ前原はともかくあんたはタイプが違うんだから諦めなって、岡島』
「ひでぇ！たまに辛辣になるよな逢坂は！！」
「結構な頻度で辛辣だと思うな…」

私がシフォンケーキを食べながら岡島にそう言うと、メグを挟んで私に文句を言ってきた。
いや、結構オブラートに包んだ方でしょ。

「お前ら粘るなぁ…紅茶いっぱいで」

見慣れないバイトの制服姿でこっちに近寄ってくる磯貝。
様になってんだよなぁ…たまたま来たお客さんとか恋に落ちちゃったりしないのかな。

「別にいいだろ～？バイトしてんの黙ってやってんだから」
「はいはい。揺すられてやりますよ…
　出涸らしだけど、紅茶おまけな」

磯貝はそう言ってカップに紅茶を注ぐ。
仕草とかもうなんか色々イケメンなんだよな。

『磯貝…このシフォンケーキ美味しすぎるんだけど定期的に来てもいい？』
「甘いの好きだな、逢坂。もちろん来てくれていいぞ。バレない程度にな？」

少ししてから、またさっきの奥様方の方に戻って行った。

「あいつの欠点なんて貧乏くらいだけどさ、それすらもイケメンに変えちゃうのよ。
　私服は激安店のを安く見せずに清潔に着こなすし」

確かに、南の島の時のファッションはなかなか良かったような…
あれも激安店で買ったのかな。

「この前、祭り行った時の金魚食わせてくれたんだけどよ
　あいつの金魚料理めっちゃうまいし」

そこからは前原による磯貝のイケメンエピソードが始まった。